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ノーベル賞候補・遠藤章さん 10年間笑顔で待ち続ける秋田の実家

遠藤章さんの受賞はならず、笑顔の中にも少し寂しそうな表情を浮かべる遠藤正悦さんと妻美和子さん=秋田県由利本荘市で2019年10月9日午後6時48分、中村聡也撮影

 今年も、ノーベル賞の発表が終わった。リチウムイオン電池を開発した旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)が化学賞を受賞し、2018年の京都大高等研究院特別教授の本庶佑(たすく)さん(77)の医学生理学賞に続く2年連続の日本人受賞に列島が沸いた。一方、稲刈りが終わりを迎える秋田県では10年ほど前から、両賞の候補として1人の研究者が注目されている。血中コレステロール値を下げる治療薬「スタチン」の原形となる物質を発見した、東京農工大特別栄誉教授、遠藤章(あきら)さん(85)。山林に囲まれた静かな田園風景が広がる由利本荘市東由利法内(旧下郷村)の実家に集まった記者たちは、親族の方たちに温かくもてなされながら吉報を待った。【中村聡也】

 秋田市から南東に車で約2時間。冬は積雪が1メートルを超え、春にはゼンマイやワラビなどの山菜が一斉に芽吹く山間部の集落の一角に、遠藤さんが生まれ育った築約120年の木造2階建ての実家がある。門前には、淡い紫色のムラサキシキブが咲いていた。

 私がこの家に足を運ぶのは、2年連続となる。

 「今年も遠くからご苦労さま」。7日の医学生理学賞、9日の化学賞と発表に合わせてお邪魔すると、遠藤さんのおい正悦さん(67)とその妻美和子さん(60)、遠藤さんの兄の妻で正悦さんの母トミ子さん(88)が笑顔で迎えてくれた。

 両日とも、到着したのは次第に薄暗くなる時刻。晩秋のひんやりした空気に包まれていたが、居間はストーブで暖められていた。

 新聞社、地元テレビ局、通信社の記者ら10人近くが集まり、その一人が用意したパソコンで正悦さんと美和子さんがインターネット中継に注目する。

 テーブルの上には、ご厚意で用意してくれる熱いお茶にせんべいなどの和菓子。美和子さんお手製のナスの塩漬けも置かれた。

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