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災害時…電気、ガス、水が乏しくてもポリ袋で簡単調理

「お湯ポチャ」で炊いた米とマーボー高野豆腐。丼にして食べてもおいしい=東京都中央区で2018年12月11日、矢澤秀範撮影

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 災害時に電気やガス、水道が使えなくなっても、ポリ袋があれば簡単に食事を作ることができる。食材を入れて湯煎で火を通すだけの「パッククッキング」「ポリ袋調理」などと呼ばれる調理法だ。専門家に教わった。

「お湯ポチャ」でマーボー高野豆腐を作る管理栄養士の今泉マユ子さん=東京都中央区で2018年12月11日、矢澤秀範撮影

 ポリ袋を使った調理法は、うまみを逃さず、いくつかの料理を一つの鍋で同時に作れるのが利点だ。鍋は汚れず、水は何度も使えるので節約になる。洗い物を減らすため、袋のまま食べる。何よりも温かいものを食べられるのがうれしい。使うのはカセットコンロとガスボンベ、鍋、ポリ袋。ポリ袋は高密度ポリエチレン製を使う。管理栄養士で災害食に詳しい今泉マユ子さんは「お湯ポチャ」と名付け、さまざまなレシピを提案している。

 まずは基本となるお米の炊き方から。ポリ袋に米と水を入れて、空気を抜きながら根元からねじり上げ、できるだけ袋の口に近い部分で結ぶ。加熱すると膨張するためだ。その後、水を張った鍋に入れ、ふたをして火にかける。沸騰したら中火で20分。火を止めて蒸らしたらできあがり。全がゆも同じように作れる。米は無洗米が好ましいが、災害時は有洗米でもいい。

 温かいおかずも一緒に作りたい。レトルト食品を活用した「マーボー高野豆腐」は栄養価が高く、食欲をそそる。ポリ袋に一口高野豆腐と水、レトルトのマーボー豆腐のもとを入れ、鍋で加熱する。米を一緒に炊き、丼にすると食べやすい。

 レトルト食品は既に具材に火が通っているため、下処理の必要がない。味も決まっているので、さまざまな食材にかけたりあえたりするとバリエーションも広がる。「災害時に好きなレトルト食品を食べるとホッとします。自分や家族の好みのものを『ローリングストック』しておくといい」と今泉さん。早ゆでタイプのショートパスタと水、フリーズドライのコーンクリームポタージュで作れば、優しい味のスープパスタに。レトルトカレーと餅なら、子どもも喜ぶ満腹メニューとなる。

 お湯ポチャをする際には、必ず高密度ポリエチレン製の袋で。厚手(0・025ミリ以上)のものか「湯煎で調理可」と記されているものがいい。ジッパー付きの保存袋は避ける。鍋底の熱で袋に穴が開かないように皿を敷き、たくさん作るときは1袋に量をたくさん入れず、袋の数を増やすようにする。

 長期化する避難生活では、温かく食べ慣れた食事をとれずに心身の不調を訴える高齢者も多い。避難所で配られる食料はパンやおにぎりなどの炭水化物が中心。歯が弱ったり、のみ込むことが難しかったりする人には食べづらい。また、そればかり食べていては栄養バランスが偏ってしまう。宮城県石巻市の管理栄養士、佐藤真由美さんは「被災時の食事をのみ込みやすくするためにポリ袋を活用してほしい」と話す。

 パンはちぎって袋に入れる。乾パンは袋に入れてたたき、細かくする。そこに水やコーヒー、牛乳などの水分を入れて軽くなじませ、5~15分おくと食べやすくなる。おにぎりやご飯は、袋に入れた後に水や湯を入れて粒をつぶすようにもみ、10~20分おく。佐藤さんは「ここに野菜ジュースを加えれば、栄養を補給することができる」とアドバイスする。

 缶詰やレトルトなどでおかずも。煮魚やハンバーグなどを汁ごとポリ袋に入れ、食材が細かくなるまでもむ。パサパサするような白身魚や肉類は、マヨネーズやサラダ油など油分を少量加えるとしっとりする。食品をつぶすだけでのみ込みやすくなるが、必要に応じてとろみ剤を加えるとさらに食べやすくなる。

 東京ガスは、ポリ袋調理を含む災害時の調理法をまとめた防災レシピの冊子「日々のごはんともしものごはん」を発行し、ウェブサイト(https://www.tokyo-gas.co.jp/scenter/hibimoshi)でも公開している。【矢澤秀範、写真も】

お米の炊き方

ポリ袋に米と水を入れ、鍋に水を張り火にかける。袋は鍋底などにつかないように=東京都中央区で2018年12月11日、矢澤秀範撮影

 ≪主な材料≫

◆ご飯1合分=米(無洗米)150グラム▽水1カップ

◆全がゆ2膳分=米(無洗米)1/4カップ(40グラム)▽水1カップ

 ≪作り方≫

①高密度ポリエチレン製の袋に米と水を入れて、空気を抜きながら根元からねじり上げ、上の方で結ぶ。ご飯用と全がゆ用に1袋ずつ作る。

②1/3の水を張って皿を敷いた鍋に①を入れてふたをして火にかける。

③沸騰したら中火にして20分たったら火を止め、10分蒸らしてできあがり。熱いのでトングがあると便利。

マーボー高野豆腐

「お湯ポチャ」で炊いた米とマーボー高野豆腐=東京都中央区で2018年12月11日、矢澤秀範撮影

 ≪主な材料≫(3人分)

▽一口高野豆腐小18個▽水1カップ▽レトルトマーボー豆腐のもと1袋

 ≪作り方≫

①高密度ポリエチレン製の袋に材料を全て入れて、なるべく空気を抜いて根元からねじり上げ、上の方で結ぶ。

②1/3の水を張って皿を敷いた鍋に①を入れ、ふたをして火にかけ、沸騰したら中火にし、約15分間加熱する。

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