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台風19号 1週間 住宅浸水3443棟 農林業施設被害17億円 /埼玉

本格稼働し、届いた青果を整理する市場関係者=さいたま市桜区の浦和中央青果市場で

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 県内各地に大きな爪痕を残した台風19号の上陸から19日で1週間。県のまとめでは、住宅浸水は3443棟に上り、農林業基盤施設への被害額は少なくとも約17億円に上ることが判明した。県は被災者向けに県営住宅の無償提供の受け付けを始め、被災自治体ではボランティアセンターが開設されるなど、復旧に向けた動きも加速している。【畠山嵩、山越峰一郎】

    復旧への動き加速

     県災害対策本部によると、18日午後3時現在の避難者は117人。床上浸水はさいたま市486棟、坂戸市241棟、東松山市240棟など計1544棟で、床下浸水は川越市235棟、ふじみ野市223棟など計1899棟となっている。公立学校では230校以上で倒木などの被害が確認された。

     河川は県内で決壊した5カ所のうち、県管轄の2カ所で応急復旧工事が完了した。土砂崩れにより車両が通行できなくなった5地区のうち、秩父市中津川は1カ月をめどに通行ができるようになる見通し。残る4地区もライフラインは問題がないという。

     また県農業政策課によると、久喜市では水田など約27ヘクタール、東松山市では約23ヘクタールが浸水し、県全体の被害面積は計約143ヘクタールに上る。日高市ではウズラの飼育場に高麗川の水が流れ込み、約10万羽が死んだ。

     台風の影響で取水ぜきや農道も損壊。農林業基盤施設の被害額は約17億2000万円で、さらに被害が拡大すると見込まれている。

     一方、被災者支援は本格化してきた。18日には被災者を対象に川越市や東松山市などの県営住宅計53戸の無償提供受け付けを開始。提供期間は最長6カ月で、住宅の使用料と敷金が免除される。仮設住宅は各市町村に設置の意向を聞いている。

     また、川越市や東松山市など6市1町ではボランティアセンターが開設され、土砂の撤去や家財道具の片付けなどが始まっている。

     18日午前の災害対策本部会議後、大野元裕知事は記者団に「県民生活に深刻な影響を及ぼしている。(復旧への国庫補助率が上がる)激甚災害(の指定)を可能な限り早くお願いしたい」と述べた。

    市営住宅21戸、無償で提供へ 東松山市

     東松山市は18日、台風19号で住宅が大きな被害を受けた被災者向けに市営住宅21戸を無償提供すると発表した。入居資格や期間など詳細は検討中だが、今月中の入居を目指す。

     同市は市営住宅のうち向台住宅12戸、諏訪下住宅9戸を被災者向けに無償で貸し出す準備を進めている。民間のアパートを借り上げて被災者に貸し出すことも検討しているという。

     同市の避難所にはピーク時で3620人が避難。18日午後3時には73人が避難している。【仲村隆】

    浦和青果市場 本格稼働

     台風19号で浸水被害に遭った浦和中央青果市場(さいたま市桜区)は正常化しつつある。職員らは18日、各地から運ばれてきた青果をトラックから降ろし、整理する作業に追われていた。

     市場によると、浸水した生ゴミなどの廃棄物は16日までに処理し、17日から本格稼働を始めた。青果も通常の4割ほど届き始め、販売も行っている。担当者は「事務所内はまだ片付いていないが、現場復旧を第一にやってきた」と話している。【鷲頭彰子】

    「地下神殿」効果を発揮 春日部

     大落古利根川、中川など中小河川が多い春日部市では、「首都圏外郭放水路」が効果を発揮し、大規模な浸水被害はなかった。

     放水路は地下50メートルで全長約6・3キロ。つながる河川の水量が基準を超えると立て抗から水が流れ込み、調圧水槽(長さ177メートル、幅78メートル、高さ18メートル)に集められて巨大なポンプで江戸川に流される。水槽内の巨大な柱は「地下神殿」と呼ばれて人気を集めている。

     国土交通省江戸川河川事務所によると、ポンプは12日午後6時50分から運転。15日午後3時過ぎまで東京ドーム9杯分に相当する約1151万立方メートルの水を排水した。施設ができた2006年以降、3番目の多さだった。

     周辺地域は水がたまりやすいくぼ地だが、放水路の完成後は「浸水被害が飛躍的に減った」(地元住民)と言われている。【古賀三男】

    きょう大雨 土砂災害警戒

     18日夜から19日昼過ぎにかけて県内では激しい雨が降る見通しで、総雨量は最大100~150ミリに達するとみられ、気象庁は土砂災害に警戒を呼びかけている。

     国土交通省関東地方整備局も堤防の状態が万全ではないことから、早めの避難を促すために洪水予報や水防警報の発表基準を暫定的に下げた。「雨の降った後に河川の水位が上昇することもある」と注意を促している。

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