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社説

日航に再び改善命令 業界で飲酒対策の強化を

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 パイロットによる乗務前の飲酒が発覚するケースが後を絶たない。国土交通省は日本航空に対し、昨年12月に続いて事業改善命令を出した。

     同じ問題で航空会社に2回の改善命令を出すのは初めてという。日航は役員全員の報酬減額を表明した。航空機事故が起きれば大惨事に直結するだけに、深刻な事態である。

     昨年10月に英国で大量の飲酒をした副操縦士が逮捕され、他にもアルコール検査の不備が見つかり、最初の改善命令を受けた。

     それにもかかわらず、4月以降、3件の飲酒が発覚した。部下を指導する立場の機長が当事者というケースもあった。国交省は対策に実効性が伴っていないと指摘した。

     パイロットに自己管理が求められるのは言うまでもない。英国で逮捕された副操縦士は今回の改善命令に合わせ、操縦免許を取り消された。

     さらに、社内の教育や指導の徹底が欠かせない。日航は最初の改善命令以降、主にパイロット同士で注意喚起をしていた。不十分な対策だったと言わざるを得ない。

     日航だけの問題ではない。他の航空各社でも乗務前飲酒が相次いで発覚した。今回の改善命令とともに、スカイマークなど4社も業務改善勧告や厳重注意を受けた。業界全体で飲酒対策の強化を進めるべきだ。

     昨年の問題発覚当時、飲酒に関する具体的基準は航空各社が決めていた。国交省は1月、乗務前後の検査を義務づけ、検知された場合は乗務禁止とした。今後、乗務前8時間以内の禁酒に加え、その前の過度な飲酒も禁じる。厳しい規制は当然だ。

     同時に、パイロットが置かれた環境にも目を向ける必要がある。

     昨年時点で日本にパイロットは約6500人いるが、国交省は2022年に最大で約7300人が必要と予測している。格安航空会社(LCC)の拡大や訪日客の増加によってパイロット不足が懸念されている。

     このため乗務スケジュールがタイトになっているとの声が聞かれる。国際線の乗務は時差による睡眠不足を招きやすい。乗務環境が飲酒に結びついているとの指摘もある。

     疲労やストレス、睡眠不足は事故につながりかねない。パイロットの健康管理対策の一環としても、飲酒問題を位置づけていくべきだ。

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