メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

豊洲防災EXPO2019

豊洲防災EXPO2019 外国人、一緒に対策を 一般財団法人ダイバーシティ研究所・田村代表理事

[PR]

一般財団法人ダイバーシティ研究所・田村太郎代表理事

 海外からの観光客や移住者らが増える中、外国人を対象にした防災対策が必要になってきた。人の多様性に配慮した地域社会を目指す一般財団法人ダイバーシティ研究所(大阪市淀川区)の田村太郎代表理事(48)に、日本人に必要な心構えについて聞いた。【聞き手・野島康祐】

     訪日外国人の中には、地震を経験したことのない人がいます。震度3でも、腰を抜かすくらい驚く人もいます。外国人の持つ災害の経験や知識には相当、バラツキがあります。

     災害時の行動も、国によって異なります。日本では地震の際、体育館など建物の中に避難することが求められますが、外国では屋外避難が一般的です。日本と違い、外国では広い公園が街の真ん中にあることが多く、災害時には避難場所になります。

     過去の地震では、こんなことがありました。大きな揺れに驚き、公園に避難していた多くの外国人を見た地元住民から「外国人がたむろしていて怖い」と110番通報が相次ぎました。彼らはただ公園で避難していただけです。むしろ「なぜ日本人は安全な屋外に出て来ないのか」と不思議に思ったことでしょう。私たち日本人は、普段から地域にいる外国人に関心を持ち、彼らが不安に思うことに思いをはせるべきではないでしょうか。

     ITや人工知能(AI)技術の発展で、翻訳された災害情報を外国人が入手することは難しくないはずです。でも、それだけでは被災した外国人の不安を解消できません。彼らに寄り添い、安心感を持ってもらえるケアが重要になってきます。

     外国人の困りごとの解決に有効なことは何か。日本人だけで考えるのではなく、地域に暮らす外国人とともに災害対応を考えることが大切です。高齢化や人口減が進む日本です。災害時にも外国人の力を借りましょう。

     関東・東北豪雨(2015年9月)で、茨城県常総市の鬼怒川が氾濫した際、市内の食品加工工場で働いていた夜勤明けの外国人の青年たちが、濁流から市民を救助しました。彼らがいなかったら、多くの日本人が亡くなっていたでしょう。日本人だから、外国人だからと区別するのではなく、一緒に災害と向かい合う心が大事です。

     ハード面の課題もあります。来年の東京五輪・パラリンピック開催時には、世界中から多くの人が来日します。Wi―Fi(ワイファイ)やキャッシュレス決済の利用環境は、東京でさえ海外の主要都市に比べ立ち遅れています。

     北海道胆振東部地震(18年9月)でも、キャッシュレス決済ができない外国人旅行客が続出しました。五輪・パラリンピックの開催期間中に大災害が起きたら、外国人旅行客は確実に大混乱するでしょう。停電時にも使えるWi―Fiやキャッシュレス決済システムの普及が急がれます。

     いま日本には、日本語を上手に話せる外国人がたくさんいますが、彼らにとって住みやすい環境が整備されているとは言えません。いざという時、一緒に災害から立ち上がってもらうためにも、普段から「身近な外国人」に思いを寄せてほしいと思います。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 反社会的勢力、第1次安倍政権で「定義」 今回は「その時々で変化」 ネットで疑問の声噴出

    2. コトバ解説 「アシカ」と「オットセイ」と「アザラシ」の違い

    3. 社説 NHK会長交代 政権との距離保つべきだ

    4. 安倍首相、名簿のシュレッダー処理「担当は障害者雇用の職員」と答弁 批判相次ぐ

    5. 「中村さんを守り切れず悔しかったと思う」 銃撃で犠牲の警備員遺族が涙

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです