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第69期王将戦リーグ特選譜

羽生、前王将の久保に読み勝ち2連勝

第69期王将戦リーグの対局を振り返る羽生善治九段(左端)と久保利明九段(右端)=東京・千駄ケ谷の将棋会館で2019年10月18日午後7時37分、丸山進撮影

 「すごく強かったですね」

 16日、将棋会館内で棋士たちから何度かこの言葉を聞いた。前日の15日、羽生善治九段が豊島将之名人に勝った王将戦リーグを言っている。豊島玉が入玉を果たし、入玉を望めない羽生が絶体絶命かと思われたが、入った玉を追い返して最後は大駒全部を捨てて寄せてしまうすごい勝ち方。複数のタイトルを持っていた頃には不可能を可能にする信じられない逆転を何回も(何十回も)してきた羽生だが、改めてその終盤力を認識させた。【山村英樹】=▲が先手、△は後手

 その対局から中2日おいて、前王将の久保利明九段と対戦する。久保は初戦で豊島に敗れて、やはり本局が2局目。王将位奪回への意欲は言うまでもなく、両者の通算67局目の対戦となった。羽生の46勝20敗。羽生の棋士別対局数ランキングでは渡辺明王将の78局に次ぎ第7位の多さになる。

<第69期大阪王将杯王将戦リーグ2回戦>

2019年10月18日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲羽生善治九段(1勝)

△久保利明九段(1敗)

▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4二飛 

▲4八銀1 △6二玉1 ▲6八玉1 △7二玉1

▲7八玉1 △8二玉1 ▲2五歩3 △3三角2

▲同角成5 △同 桂 ▲9六歩 △9四歩1 

▲6八金4 △2二飛7 ▲7七角10 △4二銀11

▲3六歩 △5四歩1 ▲3七銀2 △2一飛

▲4六銀4 △4四角17 ▲6六歩6 △6二角

▲5六歩3 △4四歩2 ▲6五歩2 △4五歩17

▲5七銀2 △7二銀 ▲5八金上10△5二金左2

▲6七金右1△4三金5 ▲6六銀8 △8四歩

▲7五銀22 △8三銀11 ▲6四歩 △7二金6

▲6三歩成12△同 金 ▲6五歩 △5三金右14

▲6四銀14 △5二金1 ▲5五歩 △6三歩

▲7五銀 △7四歩2 ▲6六銀 △5五歩

▲5八飛2 △5三金上4▲8六角4 △8五歩6

▲7七角2(第1図)

 久保にとって羽生は、超えなければならない存在だった。2001年、棋王戦五番勝負で羽生に1勝3敗で敗退。同年、王座戦五番勝負も1勝3敗で敗退。やや間をおいて07年王座戦で3連敗、08年王将戦七番勝負で1勝4敗と4連続で苦汁をなめた。やっと勝つことができたのは10年の王将戦で、4勝2敗で初めて王将を獲得したときだった。それ以降、タイトル戦での対戦はない。

 谷川浩司九段以降、関西本部所属の棋士で羽生と何度もタイトル戦を戦ったのが久保だった。どうすれば羽生に勝てるかが日常の思いだったと思われる。王将4期、通算タイトル数7期の久保がかつてぶつかった壁だった。

 現在はともに無冠。しかし、若い時と同じように情熱を持って対局に臨むことも、ともに同じだ。

 将棋の棋譜には戦型が自動的に判定されて記述されるが、本局は角交換型振り飛車と分類される。確かに久保が四間飛車に振り、角交換が行われた。だが、早い段階で双方とも盤上に角を放ち駒組みが進む。長い駒組みとなり、歩がぶつかったのは43手目。▲6四歩と羽生は突っかけた。だが、ここも9手後に久保が△6三歩と修復する。羽生は「△6三歩と打たせて、かえって後手陣がしっかりしてしまったかもしれない。争点がなくなってしまった」と対局中の悩みを打ち明けた。

 しかし、第1図になって久保は「ここで指す手がわからなかった」。羽生も「手が広そうな感じはしました」。百戦錬磨の2人にとっても、将棋は難しいものなのだ。

 第1図以下の指し手

△2四歩17 ▲8六歩6 △同 歩 ▲同 角

△8五歩10 ▲7七角 △2五歩2 ▲7五歩2

△2六歩9 ▲7四歩1 △同 銀  ▲7六金8

△7一飛1 ▲7五歩6 △8三銀 ▲5四…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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