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第69期王将戦リーグ特選譜

藤井、30手超の詰み手順で2勝目 糸谷は苦しい連敗

王将戦リーグ戦で対局開始を待つ糸谷哲郎八段(右)と藤井聡太七段=大阪市福島区の関西将棋会館で2019年10月18日午前10時、梅田麻衣子撮影

 9月から11月までの短い期間で各自6局対局する王将戦リーグ。必然的に対局と対局の間は短くなる。また、現時点での最強のメンバーがそろうため、他棋戦でも必然的に忙しいメンバーがそろっている。そのため、抽選で決まった順番が入れ替わることはよくあるが、本局はなんと6回戦の対戦。通常なら最終戦の直前に指される対局だ。

 リーグ初参加の藤井は、本局が3局目になる。三浦弘行九段に勝ち、豊島将之名人に負け。例年の挑戦権争いを見ると、6戦全勝や5勝1敗なら単独挑戦、4勝2敗でプレーオフにからめるかどうか。前期の広瀬章人竜王は4勝2敗で首位に並んだが、「挑戦プレーオフは順位上位2人」の規定のため、プレーオフは渡辺明現王将と糸谷の対戦になり、広瀬は参加できなかった。藤井が挑戦するためには、本局の結果が重要だ。【山村英樹】=▲が先手、△は後手 

 今期の糸谷は広瀬に敗れて1敗。本局が2局目になる。リーグの順位は2位と上位だが、開幕2連敗はつらい。

<第69期大阪王将杯王将戦リーグ6回戦>

2019年10月18日

持ち時間各4時間

場所・関西将棋会館

▲糸谷哲郎八段(1敗)

△藤井聡太七段(1勝1敗)

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩

▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩

▲6八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀

▲4八銀 △6二銀1 ▲7八金 △3三銀

▲3六歩 △6四歩1 ▲6八玉 △6三銀

▲9六歩 △7四歩4 ▲4六歩 △9四歩

▲4七銀 △7三桂 ▲3七桂 △4二玉

▲1六歩 △1四歩 ▲4八金 △6二金

▲2九飛 △8一飛 ▲6六歩 △5四銀

▲5六銀 △5二玉 ▲7九玉 △4二玉

▲8八玉 △6五歩 ▲同 歩 △同 桂

▲6六銀 △6四歩 ▲4五歩 △8六歩14

▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8一飛

▲4六角1 △6三金 ▲2四歩 △同 銀

▲5五銀左 △同 銀 ▲同 角 △5四金

▲1一角成 △3三桂 ▲2一銀 △7五歩9

▲6六歩18 △7六歩(第1図)

 本局は関西将棋会館での対局だが、東京・将棋会館では羽生善治九段(1勝)と久保利明九段(1敗)が対局していた。午前10時、同時に対局開始。羽生-久保戦が双方小刻みに時間を使う序盤戦になったのに比べ、本局は超スピードで指し手が進んだ。

 角換わり腰掛け銀の定跡手順、藤井が△6五歩(42手目)と仕掛けるまでの消費時間は糸谷1分、藤井6分。11、12日の竜王戦第1局でも▲4五歩(47手目)まで同一局面になっており、ここまでは最近の傾向として驚かないにしても、正午の昼食休憩入り直前に糸谷は本局について考え始めた感じの時間の使い方で、藤井も29分しか使っていない。第1図で昼食休憩に入った。このあたりまで両者の研究範囲だったのだろう。

 糸谷は局後の感想で、「(後手の対応が)違う展開を予想していたが、この展開もあるかなと考えていた。8筋の歩交換をされたので、▲5五銀左とぶつけていく進行になるのはやむを得ないと思った」と語っている。しかし、馬を作って▲2一銀と金取りに打ったのに対し、藤井が7筋の歩を伸ばした第1図は終盤戦の入り口といえる局面。互いに怖くないのだろうか。

 第1図以下の指し手

▲6五銀43 △同 歩8 ▲3二銀成33△同 玉

▲4六桂 △1一飛55 ▲3四桂(第2図)

 現代将棋、特に角換わり戦では、事前の研究が大きなウエートを占める。「詰みまで研究」とはなかなかいかないが、ある程度の確信があれば、それは勝利につながる。逆に研究が不発に終わると、そのまま敗戦へ直行の恐ろしさもある。

 昼食休憩をはさんで▲6五銀を糸谷は決断した。元々早見えのタイプ。しかし、…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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