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社説

増え続けるいじめ 現場任せでは解決しない

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 全国の小・中・高校などで昨年度に把握されたいじめが前年度より約3割増えて54万件に達し、過去最多となった。

 文部科学省は2013年のいじめ防止対策推進法制定を機に、軽微ないじめも積極的に認知するよう求めている。今回の増加については、現場がいじめの芽を早めに摘もうと取り組んだ結果ととらえている。

 問題なのは、いじめで自殺や長期欠席などを余儀なくされる重大事態の発生も、前年度から約3割増えて602件に上ったことだ。特に、重いけがなど心身に被害を受けるケースが急増した。

 認知件数と重大事態がともに増えるのは3年連続だ。広く網をかけて軽微なうちに解決しようとしているのに、その網をくぐり抜けて悪化するケースを許してしまっているのではないか。文科省は事例を詳しく分析し、手立てを講じる必要がある。

 なぜ、深刻化する前に防ぐことができないのか。

 目立ち始めているケースには、スマートフォンを通じた中傷などがある。こうしたいじめは周囲の大人の目につきにくく、気付かれないままエスカレートする。

 文科省がいじめ全体について発覚のきっかけを調べたところ、担任を含む教師による発見は1割強にとどまった。半数を超えたのは学校のアンケートだ。ただし、それでいじめをすべて把握できるわけではない。

 子どもの最も身近にいる教師がアンテナを高くして発見に努め、校内で問題を共有して解決を図らねばならない。だが、現実には、教師はさまざまな業務に忙殺されている。現場任せの対応には限界がある。

 各地でスクールカウンセラーの配置が進む。文科省は、いじめなどに関して法律的なアドバイスを行うスクールロイヤーの配置も広げようとしている。教師をサポートする専門家の存在は今後、ますます重要になってくる。

 小・中・高校から報告があった自殺も前年度から約3割増え、332人に上った。子どもがどんな状況に置かれていたかは約6割が「不明」だ。原因を調べて対策を立てるには、警察との連携も欠かせない。

 外部の力を取り込み、学校の対応力を高めなければならない。

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