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「愛猫モコちゃん、もう二度と離さない」不明・再会その後、ますます募るいとしさ 台風被害の福島いわき

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避難しているアパートの大家さん宅の一室で「モコちゃん」を抱く石井昭子さん=福島県いわき市で2019年10月21日、丹治重人撮影

 台風19号で甚大な被害が出た福島県いわき市で16日、被災後に一時行方不明だった愛猫「モコちゃん」(3歳)と飼い主の石井昭子さん(64)が3日ぶりに再会した。その瞬間を取材中だった毎日新聞記者が動画で撮影。ツイッターに投稿したところ、21日現在で約250万回再生され、大きな反響を呼んでいる。被災8日後の21日、改めて石井さんを訪ねると、「ネコは家族、もう二度と離さない」と語り、被災前後と現在の状況を話してくれた。【丹治重人/写真映像報道センター】

避難しているアパートの大家さん宅の一室で、同居するネコたちを抱く石井昭子さん(左)と長女の美紀子さん。美紀子さんが抱いているのが一時行方不明だった「モコちゃん」=福島県いわき市で2019年10月21日、丹治重人撮影

 いわき市内のアパート1階で長女・美紀子さん(29)と暮らしていた石井さん。13日未明、近所を流れる川が氾濫し、室内に水が入ってきた。水位は腰のあたりまで上昇。モコちゃんを押し入れに避難させ、2人で台所の窓から抜けだし、住民の助けでアパート2階に避難した。その際、同じアパートに住む男性に「部屋にモコがいる」と伝えると、男性が部屋に入ってモコちゃんを救出。アパート大家の男性に手渡したが、パニック状態で激しく暴れたため、落としてしまい、モコちゃんは濁流にのまれてしまったという。

 アパート周辺の水が引いた後、周囲を探したが見つからず、「どこか高いところに逃げていてほしい」と願った。「亡きがらでもいいからもう一度抱き締めたいと思っていた」と振り返る。

 被災3日後の16日午前10時50分ごろ、2軒隣の住民が自宅の片付けをしていたところ、押し入れの布団の上でうずくまっていたモコちゃんを発見。駆けつけた石井さんと再会を果たした。「まさか帰ってきてくれるなんて」。強く抱きしめ、涙が止まらなかった。

 泥水が入った自宅アパートは住める状態ではなく、石井さんは現在、大家さん宅2階の1室を借りて美紀子さん、モコちゃん、新たに保護した2匹のネコと同居生活を送る。2匹は今回の台風で流されてきたオスのボスとメスのミーちゃん。

 被災から1週間が過ぎたが、復旧したのは電気のみ。ガスは使えず、断水が続いている。風呂は徒歩約20分の小学校に自衛隊が設置した仮設風呂を利用。飲料水も不足し、ペットボトルの水をネコたちと分け合って飲んでいるという。日中は自宅内のゴミを片付けたり、近所の住民と協力して泥をかき出す作業に追われている。

 「明後日はまた豪雨になる恐れがある。心配は尽きない」と語る石井さん。ネコたちの存在が心の癒やしになっている。台風被害の後、モコちゃんは雨の音を嫌がるようになり、以前より甘えん坊になったという。取材中、大家さんの奥さんがモコちゃんの大好物、「焼きカツオ(ネコ用)」を差し入れくれた。「ほら、すぐ寄ってきた。モコはこれに目がないんです」。石井さんが目を細めた。

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