連載をフォロー
“フェラーリ”福岡、突破できず「守備の厚さ感じた」次はラストステージ東京五輪!(スポニチ)
ラグビーW杯準々決勝 日本3—26南アフリカ(2019年10月20日 味スタ)
15年大会は「チーター」、今大会は「フェラーリ」と形容されたWTB福岡が、走らせてもらえなかった。南アフリカの守備はあまりに堅かった。ノートライでノーサイド。自陣22メートル内側にたたずんだ。ジッと一点を見つめたまま、動かなかった。
「守備の厚さを感じた。やりたいことをさせてもらえなかった。個の力でも、1人で(トライを)取り切れなかった」
エンジンを吹かした場面はあった。0—5の前半12分すぎ。相手がシンビンで1人少ない状況でのマイボールスクラム。展開を受けて、中央ライン手前から左サイドを突破した。しかし、敵陣22メートルに入ったところで、世界的名手CTBデアレンデにつぶされた。
W杯前に右ふくらはぎ肉離れを発症。復帰後は、中学の陸上部経験で身につけた「100メートル走の最初の10メートル」を意識した独特の前傾姿勢で疾走。一瞬で相手を置き去りにする快足で、4トライを挙げた。アイルランド戦の逆転トライ。スコットランド戦は相手ボールをもぎ取って45メートルを独走。日本にラグビーフィーバーを起こす立役者の一人になった。
「集大成として、自分らしいパフォーマンスができた。胸を張れる結果になった」
7人制で来年の東京五輪代表を目指し、その先は子供の頃からの夢である医師の道を目指す。取材エリアで改めて「優先順位は変わらない。来年は7人制、その先は勉強に集中する」と話した。W杯、そして15人制の日本代表はこの試合がラスト。しかし、大歓声を背に相手ディフェンスを切り刻んだ快足は、日本ラグビー史に永遠に刻まれる。(スポニチ)