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第80期名人戦

渡辺明名人に斎藤慎太郎八段が挑戦する第80期名人戦を特集します。棋譜中継は「棋譜・対局結果」からご覧いただけます。

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第78期名人戦A級順位戦 久保利明九段-木村一基王位 第17局の2

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久保の好手

 A級順位戦は3回戦を終え、4回戦が始まっている。競馬なら第2コーナーを曲がって向こう正面の直線に差し掛かったあたりといえるだろうか。この時点で3連敗の久保がシンガリ、木村は1勝2敗で4人の並走となっているがリーグ順位を加味すればシンガリから2番手と、どちらも少し苦しい状況である。競馬では脚質によって後方からの追い込みが得意な馬もいるが、順位戦においては後方からのレースはただただゴール前が苦しくなるだけである。両者ともそろそろ鞭(むち)を使ってでも順位を上げていかなければならない。

 木村が[後]4二金上と指して昭和の時代を思わせる対抗形の布陣が組み上がっているが、図から[先]5七金と上がったのが形にとらわれない久保の好手だった。金が3七、5七、7七という将来桂に当てられる恐れのあるマス目にいないほうがいいという固定観念があるのだが、本局では[後]6五歩の仕掛けに備えた手厚い一手になった。「そうか、金ね。なるほど。うまくやられました」が終局直後の木村の第一声だったから、[先]…

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【第80期名人戦】

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