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第69期王将戦リーグ特選譜

藤井聡太七段、羽生善治九段に圧勝し3勝1敗 挑戦者争いに名乗り

王将戦リーグの羽生善治九段(右)との対局で初手を見守る藤井聡太七段=東京都渋谷区で2019年10月21日、梅村直承撮影

 2戦全勝と2勝1敗、挑戦権争いに向けて大きな一番であることはいうまでもなく、現代将棋界をけん引してきた羽生善治九段とすでに多くの記録を塗り替えてきた若手、藤井聡太七段の昨年2月以来の対戦としても注目された一局。昨年の対局は早指し棋戦の朝日杯将棋オープン戦の準決勝で、勝った藤井が決勝でも勝って棋戦初優勝。現在2連覇を飾っている。今回は持ち時間各4時間、初めての長い持ち時間の将棋という意味がある。

 特別対局室では、新人王戦三番勝負第2局、増田康宏六段と高野智史四段の対局が行われたため、本局は大広間の高雄で、やはり王将戦リーグの三浦弘行九段対糸谷哲郎八段と並んで行われた。【山村英樹】=▲が先手、△は後手

<第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ4回戦>

2019年10月21日

持ち時間各4時間

場所:東京・将棋会館

▲羽生善治九段(2勝)

△藤井聡太七段(2勝1敗)

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩1 △8五歩

▲7八金 △3二金 ▲3八銀 △7二銀

▲9六歩 △9四歩3 ▲3六歩3 △8六歩1

▲同 歩 △同 飛 ▲5八玉1 △5二玉5

▲3七桂3 △8七歩4 ▲9七角1 △8二飛

▲7五角11 △7四歩8 ▲6六角2 △7三銀

▲7六歩6 △3四歩33 ▲2四歩5 △同 歩

▲同 飛 △6六角2 ▲同 歩 △2二歩(第1図)

 年齢によって持ち時間の長い対局、短い対局の向き不向きはあるのか? 全てに当てはまる傾向は見いだせないのだが、それでも比較的早指しの棋戦ほど得意とする棋士がいることも否めない。逆に将棋界最長の持ち時間、各6時間の順位戦は長い将棋が苦手だと上のクラスに上がっていくことが難しく、こちらも得意不得意はありそうだ。

 羽生はもちろん長、短時間の両方で実績を残しているので得意不得意はないとしかいいようがないが、年齢を経て反射神経が必要な超早指しの対局は得意とは言えないだろう。だが、もろもろのことをカバーしていくのが経験の積み重ねだ。40歳を超える頃のインタビューで、「これからは経験を生かすなど、40代の戦い方をしたいと思います」と語っていた。

 羽生は本局、相掛かりの作戦を取った。今期リーグで非常に多く指される戦型である。藤井は受けて立ち、互いに玉を中住まいに構えた。藤井は△8七歩とたたいて拠点を作る指し方だが、羽生は角をぐるりと回転して角交換を誘った。工夫した指し方だが、局後に「序盤に工夫しなくてはいけませんでしたか」と首をひねった。藤井の△2二歩が好判断。△2二銀と上がるのが自然に見えるが、歩を打つことでがっちり固定した。ただ、先手を取る指し方ではないのだが……。

 第1図以下の指し手

▲8八歩27 △3三角28 ▲2五飛39 △6六角

▲8七金 △同飛成15 ▲同 歩 △9九角成

▲9七桂 △3三桂37 ▲2九飛3 △7七馬32

▲6八銀13 △7六馬 ▲6七歩1 △3五歩13

▲2六飛16(第2図)

 第1図で昼食休憩に入った。休憩の間に囲碁・将棋チャンネルの「将棋プレミアム」で高見泰地七段が解説している。

 「後手からは△8八角と打って、8筋を破りに行く手があります。これを先手がどう防ぐか」

 つまり、2筋で先手を取らなくとも、先手の指し手が制限されている。▲8八歩は予想の中にもあった手だが、△3三角(これも28分)に対して再び長考に入り、39分で▲2五飛。以下、藤井が飛を切って香を取り、馬を作る流れになった。羽生が「▲8八歩で▲7七角でしたか?」と藤井に聞くと、対して△6四銀を示し▲7七角は取り下げられた。

 逆に▲9七桂に対する△3三桂に、藤井の不安があったようで、「△8二歩…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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