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仕込み直前、濁流が酒米襲う 台風19号で被災の酒蔵、復旧進める 栃木

浸水時の水位を示す島田社長。最大70センチほど浸水したという=2019年10月21日午前10時4分、太田穣撮影

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 台風19号で栃木県佐野市田島町にある県内最古の蔵元「第一酒造」も大きな被害を受けた。新酒の仕込み直前だったが、酒蔵を襲った濁流で酒米が浸水。仕込みの遅れは避けられないが、急ピッチで復旧を進めている。12代目の島田嘉紀社長(53)は「再起を期待してくれるみなさまの応援が支え。しっかりした酒造りで応えたい」と話している。

 同社は1673年創業の老舗。清酒「開華」で知られる。346年の歴史の中では火事などの災害もあったが、島田社長は「これほどの大規模水害は記録にない」と語る。

 12日夜、秋山川などから押し寄せた泥水は約6600平方メートルの敷地にあふれ、水が引くと5~10センチの泥が酒蔵や事務所に堆積(たいせき)していた。仕込み用や貯蔵用のタンクは無傷だったが、醸造設備の一部が漏電の恐れがあり使えず、事務所の電話やファクスが不通になった。

 自社で栽培した米を自社で精米し醸造するのが同社の特徴だが、精米所も浸水し、新酒の仕込みに使う今年産米十数トンも被害を受けた。設備の修理や清掃などで酒蔵が醸造に適した環境に回復するには2~3カ月かかる見込みで、島田社長は「仕込みの開始は早くて12月」と見通す。

 季節雇用も含め約20人の社員や地域のボランティアの協力で泥かきなどを進め、20日には電話などが復旧。昨年仕込んだ清酒数千本のうち3分の1が浸水したが、被害を免れた分の出荷を23日から再開する。

 「次の仕事はタンク内の酒をきちんと商品にしてお客様に届けること。新酒はその後」と島田社長。「被害は甚大だが、1週間でここまで回復できた。一つずつ段階を踏んで再起したい」と前を向いた。【太田穣】

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