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余録

「水塚」とはその昔、利根川の洪水に備えて…

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 「水塚(みづか)」とはその昔、利根川の洪水に備えて避難のために作られた盛り土をいう。天皇陛下は皇太子時代にトルコのイスタンブールで開かれた世界水フォーラムの基調講演で流域住民の水害との闘いを紹介した▲江戸時代、ひんぱんに洪水にみまわれた流域ではこの盛り土に倉を建て、食料や布団、揚舟(あげぶね)と呼ばれる小舟などを備蓄した。そこは水塚を持たぬ近隣住民や牛馬の避難所ともなった。地道な努力と知恵が刻まれた水と人との歴史である▲講演で陛下は気候変動による水害の激化にも言及した。きのう予定していた祝賀パレードを政府は水害対策のために延期したが、陛下の意にもかなう決定に違いない。水問題の国連委での活動なども世界が知る陛下の即位宣明である▲天皇の装束である黄櫨(こうろ)染(ぜんの)御袍(ごほう)を身にまとった陛下が高御座(たかみくら)と呼ばれる壇上でおことばを述べた「即位礼正殿の儀」だった。参列した180以上の国・国際機関などの代表は、由来を古代にさかのぼる伝統的な儀礼に目を奪われたろう▲ただし陛下のおことばは、国民と苦楽を共にする象徴天皇という皇室の新たな伝統の継承を誓ったものだった。「思いを致す」のは苦しむ人々の中に分け入り、「象徴」という言葉を国民の共感で満たしてきた上皇さまの歩みという▲こと国際経験の豊かさでは過去に例のない令和の天皇、皇后両陛下である。これからさらに「象徴天皇」という言葉にどれほど豊かな意味合いや彩りが盛り込まれていくのか。新たな時代の始まりである。

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