我が家の寝室には、粗末なハガキ大のわら半紙に描かれた「ふくら雀(すずめ)」の鉛筆画が飾ってある。私には、どんな名画よりも、この絵が心に響く。大切な宝物になっている。
母は94歳で亡くなった。戦中戦後の激動期、5人の子を育て上げ、さらに長男の子供の面倒もみて一息ついた頃、子供の時からの夢だった絵を描き始めた。気ままに鉛筆で描いただけなので、決して上手とは言えなかった。遺品と言えるものが何もない中で、目が可愛い鳥の絵が数点あり、兄弟で分け合った。
貧しい家に育った母は、小学校を3年までしか行かせてもらえなかったことを生涯、悔しがっていた。「妹を…
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