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岡崎 武志・評『昭和40年男~オリンポスの家族~』『月はすごい』ほか

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今週の新刊

◆『昭和40年男~オリンポスの家族~』佐川光晴・著(集英社/税別1600円)

 『昭和40年男~オリンポスの家族~』は、佐川光晴の新作長編。昭和40年生まれの元体操選手・山田三男は、ケガが元で引退。元アスリートでキャリアウーマンの妻に代わって、家事一切を引き受ける「主夫」だ。

 第一話で「じゃりン子チエ」、第二話で「星一徹」、第三話で「百恵ちゃん」と、昭和後半のアイテムに彩られて家族の物語が進行していく。長女は美人で新体操の日本代表。容姿も運動神経も劣る次女が、いかにコンプレックスを克服するかがまず描かれる。

 義父は高校バレーボール界の星一徹と呼ばれた名物鬼監督。挫折した三男は、最初拒絶されるが、義母の認知症をきっかけに長い間隠された秘密が明らかになり、和解する。三男は「主夫」に甘んじ頼りなさそうに見えて、着実に家族の絆を強く結ぶ働きをする。

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