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台風19号被害 取り戻しつつある笑顔 /宮城

休校していた丸森小学校が再開し、笑顔を見せる児童ら=宮城県丸森町で、玉城達郎撮影(画像の一部を加工しています)

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 台風19号によって、県内では床上浸水や土砂崩れなどの大きな被害が生じているが、23日には県内すべての小中高校が授業を再開し、県北の吉田川流域では家屋の浸水がほぼ解消した。営業の再開を急ぐ野菜や加工品の直売所もある。被災からの復旧にはまだなお時間を要するが、人々は協力し合いながら、日常生活を取り戻そうと懸命に努めている。

「やっと会えたよ」丸森の全学校再開

 11日から授業を中断していた宮城県丸森町内の小中高校10校が23日、授業を再開し、一時49校が休校していた県内全ての小中高校が再開となった。

 同町立丸森小では、通常より約1時間遅い午前9時ごろに児童が登校した。台風で校舎が被災した町内の金山小の生徒も登校。同小は当面、丸森小の教室を借りて授業を行う。金山小の長谷川修一校長は「1階の机や椅子が流され、窓ガラスも割れ、当面(授業が)再開できるような状況ではない。丸森小に受け入れてもらい大変ありがたい」と感謝した。

 丸森小ではまだ断水が続いており、教員は屋外に設置された仮設トイレの使い方などを児童に説明していた。同小6年の斉藤慶雅さん(11)は「祖父母がやっている床屋の畳や椅子が壊れたり、家の物が流されたりして、自分も昨日まで片付けを手伝っていた。それでも今日学校に来て、久しぶりに皆に会えてとてもうれしかった」と喜びを語った。

 菊地禎広校長は取材に「これから子供たちに心的な外傷が出てくる可能性もある。親も含めて担任を中心に被害・避難状況を把握して寄り添うことが必要」と話した。【藤田花、滝沢一誠】

吉田川流域 家屋浸水ほぼ解消 農地60ヘクタール排水目指す 大崎・鹿島台地区

水が引くも、流されてきたかごや長靴が残された田んぼ=宮城県大崎市鹿島台地区で、竹内麻子撮影

 東北地方整備局は23日、台風19号の影響で発生した吉田川流域の家屋の浸水がほぼ解消したと発表した。福島県や宮城県にまたがる阿武隈川流域の排水はほぼ完了しており、東北地方の家屋の浸水は解消したという。

 同局によると、大雨による増水の影響で大郷町粕川の堤防が決壊したことなどで、同町や大崎市鹿島台地区を中心に最大で約5700ヘクタールが浸水した。中国、中部地方整備局とともに延べ221台の排水ポンプ車を13日から稼働させ、約410万立方メートルの水を排水した。21日までに同地区で家屋約10戸の浸水が残っていたが、市と東北地方整備局が23日午前に家屋浸水の解消をそれぞれ確認したという。

 同日10時現在で同地区の農地約60ヘクタールが浸水しており、同局は24日までに全ての排水の完了を目指している。堤防が決壊した地点は今月中に応急復旧を完了させるという。

 旧鹿島台町長の鹿野文永さん(84)=大崎市鹿島台深谷=は「水が引くのに10日以上も要したことには心が痛む。時間がかかったのは、常設されている排水施設の能力が足りないから。再びこのようなことがないよう、国は大型の排水施設を整備してほしい」と要望した。【滝沢一誠、山田研】

道の駅津山 登米の直売所26日再開 駐車場にテント立て 床上浸水

直売所(左奥)の入る「道の駅津山」には、台風被害の爪痕が残る=宮城県登米市で

 台風19号で床上浸水した登米市津山町横山の「道の駅津山」にある直売所が26日、駐車場で仮再開する。施設と出荷農家が直接受けた損害だけでなく、出荷が止まる損害、さらに復旧に要する費用も多額になると見込まれ、運営する「つやま産直事業協同組合」が収入確保のため決断した。

 普段なら野菜や加工品などが並ぶ店舗内は北上川支流の氾濫で、床上1メートルまで浸水した。水が引いた14日、ようやくたどり着いたという女性会員は「涙が出た」と振り返る。台風前に急いで収穫したリンゴをはじめ店内や倉庫の商品はほぼ全滅。冷凍庫やパソコン連動のレジシステムをはじめ、あらゆる電化製品も使えなくなった。食品類を処分し、泥をかき出し、清掃、消毒したが、再開めどは立たない。阿部隆吉理事長は「被害額は想像もつかない」と肩を落とす。

 また、出荷する組合員のうち「田畑の壊滅が3、4割。他にも2、3割はかなりの被害を受けた」(阿部理事長)という。借金して建てた加工場が使えなくなった農家もある。無事だった野菜も、直売所が再開しないことには販売に困る。

 「組合も農家も現金収入が必要。そこが一番だ」と阿部理事長は再開理由を説明。駐車場にテントを立て、野菜や弁当類、漬物などを販売する。阿部理事長は「ぜひ足を運んでほしい」と呼びかけている。【山田研】

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