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日本文化をハザマで考える

第14回 書道は世界の偉大なる芸術へとつながることができる

小阪美鈴の「草枕」

 私は以前、書道というものをお茶や盆栽、生け花と同じようなものだと思っていた。どれも由緒ある伝統を持っているが、あまりにもかしこまり過ぎている上に古臭く、しかもその伝統に屈従するをよしとしているため、興味を持てなかった。

 そうした考えは、ある出来事ですっかり変わってしまった。それは2005年のことだった。毛筆を習おうかと思い始めていたところ、ある広告が目に留まった。それは神戸クラブでの書道のデモンストレーションの広告だった。平日の午前中、日本に移住している外国人の奥様方の中にたった一人の男性として座った。小阪美鈴という女性の書道家が、着物を着て、今までに見たことのないような書道のデモンストレーションをしているのを見て興味を持った。

 それだけで終わったかもしれなかったが、折しも、私が英語に翻訳した夏目漱石の「倫敦塔」――漱石が1900年から02年にロンドンにいた時の事を書いたもの――が出版されようとしていた。出版社は表紙の見本を送ってきたが、それにはロンドン塔の写真とともに、漢字で「倫敦塔」と書かれてあった。その字がかなり下手なことは、私にもわかった。それで、あの小阪美鈴に頼んだのだ。

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ダミアン・フラナガン

ダミアン・フラナガン(Damian Flanagan) 1969年英国生まれ。作家・評論家。ケンブリッジ大在学中の89~90年、東京と京都に留学。93~99年に神戸大で研究活動。日本文学の修士課程、博士課程を経て、2000年に博士号取得。現在、兵庫県西宮市とマンチェスターに住まいを持って著作活動している。著書に「世界文学のスーパースター夏目漱石」。

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