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台風19号により堤防が決壊した県内の河川を現地調査した田中規夫・埼玉大教授(水工水理学)が24日、毎日新聞の取材に応じ、都幾川の堤防決壊については「堤防の内側に生えていた樹木が影響した可能性がある」との見方を明らかにした。
田中教授は、国土交通省関東地方整備局が設置した荒川水系越辺川・都幾川堤防調査委員会の委員として今月17日、国直轄で河川堤防が決壊した都幾川(東松山市早俣)▽越辺川(同市正代)▽同(川越市平塚新田)――を現地調査した。
田中教授によると、いずれも決壊地点周辺の堤防上にゴミなどが残っていた。また、堤防下部に砂などの地層があって水を通したことによる「パイピング」の痕跡がないことなどから、地盤の問題による決壊ではなく、越水による決壊だったとみている。
都幾川では、堤防の内側に木が生えていることに注目したという。「地盤や水位変化の計算結果を検討しなければ確定的なことは言えない」とした上で、「堤防を越えた水は20~30センチ程度とみられるが、樹林帯に(水流がぶつかることに)よって局所的にさらに10センチ程度高くなるなどして、それが長時間続いて決壊に至った可能性がある」と話す。
また、田中教授は「気候変動により想定を超える雨はいつでも降りうる」として、自助の必要性も訴える。洪水ハザードマップを確認し、自宅が家屋倒壊危険ゾーンに含まれるかや、3メートル以上の浸水が見込まれるかなどを確認する必要があるとしている。【山越峰一郎】
台風19号の県内被害
死亡 2人
けが 32人
全壊 13棟
半壊 32棟
床上浸水 2211棟
床下浸水 3072棟
避難者 128人
※24日午後2時現在、県まとめ