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社説

菅原経産相が辞任 むなしく響く「任命責任」

辞表を提出したことを記者団に話し頭を下げる菅原一秀経済産業相=国会内で25日午前8時39分、川田雅浩撮影

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 菅原一秀経済産業相が辞任した。有権者に金品を配った疑惑の重さを考えれば当然だ。ただし、閣僚を辞めて済む話ではない。

     菅原氏が辞任理由としたのは国会審議や行政の停滞であり、疑惑を認めたわけではない。国会の追及から逃れ、説明責任をうやむやにしようとしているとしか思えない。

     辞任の決め手となったのは、菅原氏の秘書が選挙区内の通夜に香典を届けたと報じた週刊文春の記事だ。菅原氏の事務所が有権者にメロンやカニなどを贈ったとされるリストが表面化し、国会で苦しい釈明を重ねていたさなかだった。

     政治家本人が持参する場合を除き香典が公職選挙法の禁じる寄付行為に当たるというのは政界の常識だ。有罪になれば失職につながる。

     葬儀の日に改めて自身が参列したから問題ないという言い逃れは通らない。それを認めたら寄付禁止規定に抜け穴ができてしまう。

     メロンなどの配布リストは公訴時効の3年を過ぎているとはいえ、香典以上に露骨な買収まがいの話だ。菅原氏本人が秘書に細かく指示していたとの証言もある。事実であれば議員辞職に直結する深刻な問題だ。

     第2次安倍政権以降、閣僚の辞任は9人目だ。金銭や失言絡みの不祥事が大半で、安倍晋三首相はそのたびに「任命責任は私にある」として国民への謝罪を繰り返してきた。

     首相はどこまで重く受け止めているのか。菅原氏のメロン疑惑は10年前にも報じられ、自民党内では9月の内閣改造前から再燃する恐れがささやかれていた。

     多少の不祥事があっても政権は揺るがないという長期政権のおごりも感じられる。それだけに「任命責任」の言葉がむなしく響く。

     菅原氏は菅義偉官房長官に近い無派閥議員グループのまとめ役だ。官房長官は内閣の危機管理の要であり、菅原氏を閣僚に推したとされる菅氏の責任も重い。

     結果として菅原氏の起用は国民の政治不信を増幅させただけで終わった。関西電力幹部の金品授受問題や韓国への輸出規制など重要懸案を抱える経産相人事での失態である。

     首相が任命責任を自覚しているのであれば、菅原氏に国会で事実関係を説明させるべきだ。

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