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東京へ ともに歩む

毎日新聞

女子52キロ級決勝でロシアのクジュティナ(下)に一本勝ちし優勝した阿部詩=東京・日本武道館で2019年8月26日、宮間俊樹撮影

アスリート交差点2020

千里の道も一歩から 成長を感じる試合に=柔道52キロ級・阿部詩

 8月の世界選手権で2連覇を達成することができました。中でも準決勝で初対戦した2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのマイリンダ・ケルメンディ選手(コソボ)に勝てたことは大きな自信となりました。

     初めて練習で組んだ17年夏のスペインの国際合宿では、怪物なのかと思うくらい力が強く感じました。そのパワーに負けない力をつけていくことが必要だと感じたため、男子選手ともたくさん練習をするようにし、力のある選手に慣れるよう取り組んできました。そして、今年の春から大学に進学したことで、出稽古(げいこ)に行く頻度を増やし、さまざまなタイプの選手と練習をして対策をしていくようにしました。

     その成果もあって、試合が始まって組んだ時には以前ほど力強さを感じなかったので、勝てるのではないかと思えました。ケルメンディ選手に左手で奥襟を持たれると破壊力のある投げ技が来るので、持たせない、持たれても先に技を仕掛けて投げさせないことを徹底しました。

     試合前から延長になることも想定していましたし、何分試合が続いても気持ちが切れないように覚悟を決めて挑み、絶対に諦めないと強い意志を持ち続けたことが一番の勝因だったと思います。寝技で勝つことはイメージしていなかったですが、相手の隙(すき)に気づいて勝てたことは自分の成長した部分だと感じますし、寝技も一つの武器だと改めて感じました。

     試合が終わった直後にケルメンディ選手から「疲れたね」と声をかけられ、畳を下りると良い関係だなと感じました。私もまだまだ来夏の東京五輪に向けて強くなりますが、一番のライバルになると思います。次に当たるのは五輪だと思いますが、しっかり投げて勝てるように準備していきたいです。

     世界選手権が終わってからは、旅行に行ったり、他のスポーツを見たりして、リフレッシュできました。11月のグランドスラム大阪で優勝すれば東京五輪代表内定に大きく近付きますが、あまりそのことを意識せず、自分の成長を感じられる試合にしていきたいと思います。(あすは競泳・渡辺一平です)(タイトルは自筆)


     Q 食欲の秋。好きな食べ物は?

     A 1週間に1度は食べたくなるのが焼き肉で、好きなのが生センマイ(胃)です。家族が毎回頼むので小さい頃から食べ、コリコリした食感が好きです。いつもは体を強くする、疲労を取り除くために必要な物を考えて食事を取っていますが、試合の後に解放感を味わいたくて、お菓子を食べることもあります。


     ■人物略歴

    阿部詩(あべ・うた)

     神戸市出身。昨年の世界選手権女子52キロ級で、日本女子として谷(旧姓・田村)亮子に次ぐ18歳2カ月の若さで優勝。兄の一二三は男子66キロ級で2017、18年の世界選手権2連覇。日体大1年。19歳。