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社説

きょうから読書週間 道を照らす本との出合い

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 読書週間がきょうから始まった。11月9日までの2週間だ。

 人は読書体験を通じて、さまざまな言葉や生き方に触れ、世界を広げることができる。本との出合いを、あらためて考える機会にしたい。

 読書離れと言われて久しい。毎日新聞が16歳以上を対象に実施した読書世論調査では、普段から書籍を読む人の割合は前年に比べてほぼ横ばいだったものの、読まない人の割合が3年連続で上回った。

 子どものころに大人に絵本を「よく読んでもらった」人のうち、今も書籍を読む人は54%で、全体平均より9ポイントも高かった。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などインターネットが及ぼす影響も小さくない。

 毎日新聞が全国学校図書館協議会と合同で小中高生を対象に実施した学校読書調査では、読書よりスマートフォンなどに触れる時間の方が長い傾向が浮かび上がった。小学生でも平日のスマホなどの利用は「30分以上3時間未満」が57%にも上る。

 親も教師も多忙である。だが、子どもが本に触れるきっかけを作るのは、大人の役目でもあるはずだ。

 本との出合い方の一つとして、年100冊以上を読む15歳の女優、芦田愛菜さんが読書遍歴をつづった単行本「まなの本棚」が話題だ。同世代の10代への読書案内としてだけでなく、孫を本好きにしたい祖父母世代が手にとっているという。

 芦田さんも著書の中で紹介する「魔女の宅急便」の著者で、国際アンデルセン賞受賞作家の角野栄子さんも、本の力を説く。

 角野さんは、第二次大戦中の少女時代を振り返り、「過酷な時期を本によって、どれほど慰められ、生きる勇気を与えられたかしれない」と語っている。

 本との出合いに遅すぎることはない。親が子どもと一緒に家で読書の時間を設ける「家読(うちどく)」もいい。

 読書週間の標語は「おかえり、栞(しおり)の場所で待ってるよ」だ。大量かつ高速の情報に流されがちな現代社会で、本はしおりをはさみながら自分のペースで読み進められる。

 しおりは、山道で枝を折って道しるべにする「枝折(しお)る」が由来という。本もまた、人生に迷った時の道しるべになってくれる。

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