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池澤夏樹・評 『誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ』=斎藤泰弘・著

 (NHK出版新書・1210円)

絵画職人から成り上がった孤高の哲学者

 このタイトル、ちょっとおかしいと人は思うだろう。このルネサンスの天才のことならば誰もが知っている。「モナリザ」の画家であり、建築や土木、その他多くの分野で活躍した人物。当然、伝記だって詳しくわかっているはず。

 ところがそうでもないらしいのだ。外側からは派手な姿が見えるけれども、内面がわからない。多種多様な仕事にしてもそれぞれの意図がわからない。

 近年になってようやくそれが見えてきた。その成果を簡潔に雄弁に書いたのが本書である。

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