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『美しい日本語 荷風 Ⅰ 季節をいとおしむ言葉』=永井荷風著、持田叙子・高柳克弘編著

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 (慶應義塾大学出版会・2970円)

 かつて三島由紀夫は荷風の小説を読んで「一番下品なことを一番優雅な文章で、一番野鄙(やひ)なことを一番都会的な文章で書く」と評した。荷風文学の魅力は何よりもまず品のいい文章、美しい言葉にある。

 女性の荷風研究の第一人者、持田叙子は、荷風の文章を丁寧に紹介しながら、荷風ならではの端正な言葉を拾い上げてゆく。一種の詞華集。

 「蝶影」「高淡」「佳人」などの「うるわしい二字漢字」。町をさす「巷(ちまた)」、果物屋をさす「水菓子屋」。「私たちは実際につかわなくとも、胸のなかの言葉の引き出しにぜひ、しまっておきたい明治大正のすてきな言葉である」。

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