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新20世紀遺跡

/69 東京都・小林多喜二ゆかりの地 思想の自由なき社会の惨

小林多喜二。急進的プロレタリア作家の先鋒として特高に逮捕され、虐殺された。

 「一億総中流」と思われた社会は、今や遠い。格差が広がる現代にあって、作家であり共産主義の活動家だった小林多喜二(1903~33)が再評価されている。今年は代表作『蟹工船』の完成(29年)から90年。短すぎる生涯の晩年を送った東京の、ゆかりの地を歩いた。

   ■  ■

 「あゝ東京へ、東京へ、東京へ行きたい」。多喜二が日記にそう書いたのは27年3月2日だ。念願は30年3月にかなった。北海道・小樽から上京し、まず中野に住んだ。同年5月、関西で講演活動中に共産党資金援助の疑いで逮捕され、6月に釈放されたが帰京後再び逮捕された。7月には『蟹工船』の記述内容が「不敬罪」として追起訴され、31年1月下旬まで豊多摩刑務所に収監。7月には杉並に移住し母親、弟と暮らした。

 この時代、表現の自由、思想信条の自由はなかった。ことに共産主義者、共産党への弾圧は激烈だった。それ…

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