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台風19号 秋の行楽、打撃深刻 キャンセル相次ぐ

軌道が大きな石や土砂で埋まった箱根登山鉄道(宮ノ下-小涌谷駅間)=2019年10月17日、澤晴夫撮影

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 台風19号は、秋の行楽シーズンを迎えた観光地にも大きな打撃を与えた。宿泊予約のキャンセルは台風襲来前から始まり、台風通過から約2週間がすぎた現在も状況は深刻だ。アクセス道路が土砂崩れで寸断された名勝地も多く、沿道の土産物店や飲食店は営業中止に追い込まれた。「観光客が来てくれることが復興支援になるのだが」。関係者のため息は深い。【澤晴夫、ガン・クリスティーナ】

箱根 交通寸断

紅葉シーズンでにぎわうはずだった米子大瀑布への道は通行止めになっている=長野県須坂市で2019年10月21日、ガン・クリスティーナ撮影

 降り始めからの雨量が約1000ミリという記録的な大雨に襲われた神奈川県箱根町。箱根山の噴火警戒レベルが引き下げられ、立ち入りが規制されていた景勝地・大涌谷を経由する箱根ロープウェイの全線運転が26日から再開したものの、幹線道路の寸断や箱根登山鉄道の不通が続いている。

 町観光課によると、昨年1年間の箱根町への観光客数は2100万人超。ススキや紅葉の見ごろになる11月は236万人で、通常ならば年間を通じて観光客が最も多い季節だ。

 すすき草原や美術館など観光施設に通じる国道138号は、一部区間での土砂崩れなどのため復旧の見込みは立っていない。すすき草原はこれから見ごろを迎えるが、遊歩道の土砂流出や陥没で現在は立ち入り禁止になっている。

 箱根湯本と強羅を結ぶ箱根登山鉄道は、不通となっている両駅間で代行バスを運行している。橋脚の流失や、宮ノ下―小涌谷駅間では線路の道床が押し流され、大きく折れ曲がった線路が土砂や倒木とともに取り残されている。同鉄道総務部の担当者は「崩れた箇所の地質調査など、復旧に向けた対策を検討している段階で手つかずの状態だ」と話した。

 大涌谷にある温泉造成施設では送水、送湯管の一部が土砂崩れで流失。宿泊施設への温泉供給のめどは一部を除き立っていない。自家源泉を持つ強羅の旅館経営者は「温泉を譲り合うなどサポート態勢が整ってきた。宿泊予約は戻りつつある」と話し、一日も早く以前の状態に戻ることを願う。

長野 宿泊前年4割に

 千曲川の堤防が決壊した長野県では、直接的な被害を受けなかった地域の宿泊施設でもキャンセルが相次いでいる。

 軽井沢町の老舗、万平ホテルはこの季節、通常ならば何カ月も前から予約が埋まっている。しかし、被害はなかったもののキャンセルが続き、稼働率は前年同期の40%程度まで落ち込んだ。個人客のキャンセルは減ってきたが、団体や研修旅行の客からのキャンセルは止まらない。「通常営業しており、応援する意味でも来ていただきたい」。万平ホテルの山田敏彦総支配人は呼び掛ける。

 紅葉の名所で日本の滝百選の一つ、長野県須坂市にある米子大瀑布(よなこだいばくふ)は、アクセス道路が崩落し、通行止めが続いている。復旧の見通しが立たず、冬季は積雪により通行止めとなるため、今年のシャトルバスの運行や小型バスツアーを早々と終了した。

 須坂市の藤沢隆・商業観光課長は「観光客が来ると土産を買ったり、コンビニに寄ったりと周辺にもお金を落としてくれる。それが全部なくなった」と言った。

 長野県旅館ホテル組合会によると、台風19号が列島に近づいていた7日以降、10月末までの予約キャンセルは推定30億~40億円分。JR北陸新幹線とセットの旅行商品が販売中止に追い込まれたことも影響した。

 「観光業は最初に影響を受けて回復は最後になる」。中村実彦会長の落胆は大きい。

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