県予選　男子・鳥栖工、１０年連続４４回目　女子・白石、６年ぶり７回目　／佐賀

　師走の都大路を駆け抜ける男子第７０回、女子第３１回全国高校駅伝競走大会（毎日新聞社など主催）の県予選が２７日、佐賀市のスポーツパーク川副を出発点に開かれた。男子は鳥栖工が１０年連続４４回目、女子は白石が６年ぶり７回目の優勝を果たした。両校は１２月２２日に京都市で開かれる全国大会に出場する。また、男女上位３校が九州大会（１１月１６日・大分県）への切符を手にした。【山口響、竹林静】

　◆男子

全区間区間賞の快走

　鳥栖工が全区間で区間賞をとる快走を見せ、他校を寄せ付けない走りで優勝した。

　昨年の都大路でアンカーを任されたエースの１区・杉彩文海（さふみ）選手（３年）は「絶対に都大路へ行き、１０位で入賞を逃した悔しさを晴らす」とスタートから抜け出して独走。３区・園田勢選手（２年）は唯一の２年生で「連覇へのプレッシャーがあった」と話すが、２位に２分以上の差をつけてたすきをつないだ。

　初めて４区（８キロ）の長距離を走った佐々木亮輔選手（３年）も昨年の都大路メンバー。「８位入賞を逃した先輩たちを超えたい」と奮起し、向かい風を受けながらも順位を守って５区・西野湧人選手（同）に。西野選手は県大会の区間記録を１１秒更新する８分２９秒で圧巻の走りを見せた。

　「キャプテン頼んだぞ、とたすきを渡され気合が入った」と話すアンカーの野下稜平主将（同）は初めての県大会。「走る前は緊張したが、自分のペースで走ることができた」と独走でフィニッシュした。古川昌道監督（５３）は「都大路までにあと２分は縮めたい」とさらなる成長を見据えていた。

　◆女子

昨年の雪辱を果たす

　１・２年が中心の若いチームながら、白石が佐賀清和の５連覇を阻止し昨年準優勝の雪辱を果たした。

　有力選手が集まる１区に抜てきされた山口咲栄選手（１年）は、首位・唐津東の小松夕夏選手（１年）に食らいつき２位でたすきをつなぐ。２区を任された笠原奈月主将（３年）は６秒差でたすきを受け「捕らえられる。絶対に抜かす」と強い気持ちでスタート。初めは差が縮まらず、設定していたペースよりも速度を上げて、１キロ過ぎで追い抜いた。

　昨年の県予選で１区の区間賞を取った松浦亜依選手（２年）が３区を務めた。最後までペースは落ちず、目標より１０秒以上早い記録で走りきった。「アンカーのためにも差を広げられて良かった」と話すのは４区の筒井心桜（こはる）選手（２年）。自己ベストで２位につける佐賀清和との差をさらに広げた。５区の平島ゆゆ選手（１年）は自分のペースを崩さず走り、笑顔でゴール。皆に祝福された平島選手は「支えてくれた方々に恩返しできるように、都大路でも全力でたすきをつないで走りたい」と意気込んでいた。

　◉…男子…◉

　（１）鳥栖工（杉、末次、園田、佐々木、西野、奥田、野下）２時間７分１１秒（２）白石（宮副、小野、松尾、溝上、川崎、山崎、山下）２時間１５分５７秒（３）唐津工（中里、坂本、井上、中村、市丸、小西、山崎）２時間１８分１２秒（４）北陵（５）唐津東（６）鹿島（７）武雄（８）伊万里（９）有田工（１０）早稲田佐賀（１１）佐賀工（１２）唐津南（１３）敬徳（１４）伊万里実（１５）鳥栖（１６）小城（１７）嬉野

　【区間賞】（学校名の次の数字は学年）１区１０キロ＝杉彩文海（鳥栖工３）３０分３７秒▽２区３キロ＝末次海斗（同３）８分４８秒▽３区８・１０７５キロ＝園田勢（同２）２４分１３秒▽４区８・０８７５キロ＝佐々木亮輔（同３）２５分１６秒▽５区３キロ＝西野湧人（同３）８分２９秒▽６区５キロ＝奥田祥弥（同３）１４分５１秒▽７区５キロ＝野下稜平（同３）１４分５７秒

　◉…女子…◉

　（１）白石（山口、笠原、松浦、筒井、平島）１時間１２分２６秒（２）佐賀清和（山口、山下藍、山下花、古沢、田中）１時間１４分１秒（３）鹿島（宮園、川崎、山崎、川良、太田）１時間１９分５４秒（４）唐津東（５）武雄（６）三養基（７）鳥栖（８）鳥栖商（９）伊万里実（１０）唐津南（１１）佐賀西

　【区間賞】（学校名の次の数字は学年）１区６キロ＝小松夕夏（唐津東１）２０分４７秒▽２区４・０９７５キロ＝笠原奈月（白石３）１３分５８秒▽３区３キロ＝松浦亜依（同２）９分５９秒▽４区３キロ＝筒井心桜（同２）１０分００秒▽５区５キロ＝平島ゆゆ（同１）１７分３６秒