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社説

養育費の不払い 公的な関与議論する時だ

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 仕事と子育てに追われ、ひとり親家庭は経済的にも余裕がない。その実情に即した支援が必要だろう。

 離婚して子どもと別居した親の養育費不払い問題が、クローズアップされている。兵庫県明石市が行政の関与強化に向けた検討に乗り出したことがきっかけだ。

 養育費について母子・父子・寡婦福祉法や民法は支払いや離婚時の取り決めを求めている。

 しかし、実際には不払いが目立つ。厚生労働省の2016年度調査で養育費を受け取っていないと回答した家庭は、低収入であることが多い母子家庭の7割に上り、父子家庭では9割だった。

 母子家庭が養育費を取り決めていない理由は、「相手とかかわりたくない」「相手に払う能力・意思がないと思った」が上位を占めている。

 ひとり親家庭の子どもの貧困率は、15年に50・8%で、全体の子どもの貧困率13・9%を大きく上回る。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも高い。離婚しても子どもに対する扶養義務はあり、不払いは放置できない。

 このため、民事執行法が改正され、来年5月までに施行される。法的な手続きを取れば、相手の預貯金などの情報を得られるようになる。

 ただし、ひとり親家庭は仕事の掛け持ちもめずらしくなく、法的手続きに割く時間や金銭的な余裕がないと指摘されている。

 家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス)の被害者など、養育費の話し合いができない場合もある。

 明石市が検討しているのは、公正証書などで養育費が確定した場合の、実質的に強制力がある対策だ。

 養育費を払わない離婚相手の給与を独自に差し押さえや天引きすることや、支払い命令に従わない場合に氏名を公表するなどのペナルティーも選択肢とする。

 見せしめ的な氏名公表まですることには疑問があるが、現状を打開しようとする姿勢は理解できる。

 欧米では行政が一部を立て替えて養育費請求に当たったり、給与から天引きをしたりする制度がある。

 「民事」にどこまで介入するのか議論は必要だが、個人の自助努力は限界がある。あるべき公的関与について、検討を進める時だ。

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