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大学受験2020(2)激化必至 どう乗り切る? 専門家に聞く

 いしはら・けんいち 京都大工学部卒業後、駿台予備学校に入職。学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長、駿台進学情報センター長を経て、2017年4月より現職。

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いよいよ本格的な受験シーズンを迎える。2021年から大学入学共通テストが導入されることもあり、浪人を避けようという受験生心理が働き、20年春の入試は、厳しくなることが予想される。では、受験生はどんな心構えで乗り切ればいいのか。長年、入試分析などに携わり、大学受験に詳しい駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんと、大学通信常務取締役の安田賢治さんにアドバイスしてもらった。

    計画立てペース保って 駿台教育研究所進学情報事業部長・石原賢一さん

     ――今後の学習法について、模試の活用法も踏まえ、教えてください。

     まず、10月から11月にかけては弱点補強期間と考え、現役生の場合は授業で疑問点を残さず、復習段階で確認していくことが大切です。12月に入ってからは、過去問による実戦的な演習をしましょう。

     センター試験受験者は11月までは苦手克服、12月からはセンター試験に向けた勉強を進めてください。センター試験を受けない人は年末までは基礎固め、年明けから志望校の過去問対策に取り組みましょう。

     日々の勉強で心がけてほしいのは、入試に向けて中期・短期の計画を立てることですが、うまく進まないこともあります。そこで、できたこと、できなかったこと、その理由を具体的にすることをお勧めします。土日などは予備日として、足りなかった部分をここで補うようにしてみてください。無理のない計画で、できることを確実にやり、最後までペースを保つようにしてください。

     そこで役立つのが模試です。その結果に一喜一憂するのではなく、できたところ、できなかったところを冷静に分析するのです。そうすると、その時点での自分の学力について、多くのことが発見できます。できなかった原因をしっかりと把握し、弱点を復習しながら対策を立てていくことが重要なのです。

    国語、リスニング難化か

     ――来年春に向けての入試動向は、どうなりそうですか。

     その前に19年春の私立大入試では、受験生の間に安全志向が働き、難関大の志願者が減り、中堅以下の大学の志願者が激増しました。そのため、20年春の入試では、浪人生が1割近く減りそうです。今の高3の人数は前年とほとんど変わらないので、浪人生が減った分だけ「間口」が広い入試になりそうです。

     最新の模試動向を見る限り、受験生の安全志向が継続し、早稲田大、慶応大、上智大、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)、関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)といった大学は志望者が増えておらず、中堅以下の大学に受験生が多く集まっています。

     一方、国公立大は科目負担、特にセンター試験の理科(文系は基礎科目2科目、理系は高校理科の全範囲を2科目)の負担が重く、志願者が増える要素は少ないと見ています。

     系統別では、文科系人気が頭打ちという印象があります。東京五輪・パラリンピック後に景気が停滞するという予測もあるからです。そうした中で、グローバル系は好調です。

     反対に、理科系人気が復活しつつあります。特に首都圏の私立理工系大の志望者が増えそうです。

     ――ここ数年、21年1月から始まる共通テストを先取りする形での出題が増えていますが、対策は必要でしょうか。

     共通テストでは、受験生に高い読解力が求められます。この傾向は近年のセンター試験にも表れており、複数の文章を読解し、ある結論を求めるような問題が出題されています。単に複数の文章だけでなく、文章と図、グラフ、写真などを関連させて考察するような問題の出題にも要注意です。

     ところで、今度のセンター試験では、前年度に平均点が上がった国語とリスニングが難しくなるでしょう。したがって、現役生は今年の問題だけでなく、昨年の問題も確認しておきましょう。特に、リスニングは共通テストでは配点を増やし、実用的な内容の英語なども導入するとのことですので、オーラルコミュニケーション重視という流れをみても、難化することを意識してほしいですね。

    第1志望は必ず受験

     ――最後に、志望校選びのポイントと、受験生へのメッセージをお願いします。

     まずは、最後の最後まで、第1志望をしっかり維持してください。国公立大志望者はセンター試験が終わるまでは志望を変えないこと。私立大志望者も第1志望校は受験してほしいです。第1志望に向けて努力していくことが、他大学の合格にもつながります。

     私立大はここ数年、センター利用方式が人気で志願者数が増加していますが、募集人員が多い2月上旬の募集日程の出願締め切りはセンター試験前が大半なので、センター試験の結果により「All or Nothing」の入試結果になりやすい。一般方式をうまく使い、併願作戦を立ててほしいですね。

     センター試験は15年に数学と理科が現行課程に移行して4年がたち、過去問がそろっているので勉強しやすいと思います。再来年の共通テストも同じカリキュラムでの出題なので、極端に浪人を恐れる必要はありません。センター試験では最後の入試ですが、落ち着いて受験勉強に取り組んでください。

    やすだ・けんじ 早稲田大政治経済学部卒業後、大学通信入社。大学などの教育情報を、書籍・情報誌を通じて発信してきた。現在、常務取締役、情報調査・編集部ゼネラルマネージャー。

    入りたい大学・学部選んで 大学通信常務取締役・安田賢治さん

     いよいよ志望校選びを本格的に検討する時期になりました。模擬試験での偏差値や志望校の合格可能性判定に一喜一憂する季節ですが、偏差値はあくまでも目安に過ぎません。あくまでも参考程度と割り切り、あまり気にせず、受験勉強に励むことが大切です。模試でできなかったところをしっかり復習し、自分の弱点をしっかり把握することに活用したいものです。

     この時期は、自分の得意分野を伸ばすことも大切です。自分の強み、弱みをしっかり把握して、今後の学習計画に生かしましょう。また、過去問に取り組む時期ですが、「できる」「できない」にこだわらず、しっかり解き、各大学の問題に慣れることも大切です。実際の入試は数カ月以上先のことです。現役生は11月後半から学力が伸びてきます。勉強した成果が表れてくるのは約2カ月後です。ですから、最後まで諦めずに頑張りましょう。

     さて、そこで気になるのが志望校選びですが、第1志望校は難易度、偏差値にかかわらず狙ってください。長年憧れていた大学・学部は、後悔しないためにも必ず受けましょう。不合格になったら諦めもつきますが、受けなければ、「ひょっとして合格していたかも」との思いを引きずることにもなりかねません。

     併願校は、難易度の幅を持たせることは当然ですが、第2志望は実力相応校を選びましょう。そして、模試の成績で最低だった偏差値帯の大学・学部をスベリ止めと考えてみてください。自分の実力については、学校の先生に相談してみることもお勧めします。

     志望校選びでは、オープンキャンパスなどに行っていない大学を受験することもあります。そんな時は、オープンキャンパス開催の有無にかかわらず、一度はキャンパスに足を運び、その大学の雰囲気を体感してほしいですね。時間がない時は大学のホームページや大学案内をしっかりと見ておきましょう。自分のモチベーションアップのためにも、ぜひ、学校へ足を運んでみてください。

     では、受験生を持つ保護者はどう対応したらいいのでしょうか。現在、保護者とオープンキャンパスなどに参加するのは一般的なことになっています。どの大学に進学するかを話し合うことが大切です。保護者が学費を払うのですから、どこの大学・学部に進学したいのか、コミュニケーションは日ごろから取っておきましょう。

     国公立大と私立大、あるいは私立大では学部によって学費に差があります。さらに、下宿しながら進学するのか、自宅から通えるところにするのかによっても、保護者の負担は大きく変わります。志望校がだいたい決まったら、よく話し合いましょう。その際、社会での評価、就職先、奨学金制度はどうなっているのかなど、一緒に考えたいものです。

     来年の入試は、センター試験最後となり、翌21年には大学入学共通テストが実施されます。制度が変わる時は、浪人を避けたい受験生が増え、私立大人気が高まります。しかも、難関校は敬遠されます。

     来年の入試でも、中堅以下の大学の人気が上がることは間違いなく、志望を下げても入試は厳しくなります。受験生は併願校を増やすことで乗り切ろうとします。だから、どこも入試が厳しくなるのです。

     合格を勝ち取りたいばかりに、「入れる大学・学部選び」をしたのでは、大学・学部選びの本道を踏み外すことになりかねません。大切なのは、どのような状況であろうとも、「入りたい大学・学部選び」をすることで、安易な志望校選びは絶対に避けてほしいと思います。

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