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キャンパスNOW

大学受験2020(3) 首都圏で学部・学科改革 動き加速

2020年度に学部・学科を再編、新設する主な私立大

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 高大接続教育改革が進められる中で、各大学とも募集方式を変えたり、学部・学科を改組、新設したりするなどの動きを加速させている。2020年春に向けての動きを紹介しよう。【中根正義】

    東京都市大に建築都市デザイン学部/成蹊大が学部横断型プログラム

     来春開学予定の大学で注目は、湘南鎌倉医療大(神奈川県鎌倉市)だろう。設立母体は全国に70の病院と、診療所・クリニック、介護施設の計約340施設を展開する徳洲会グループだ。

     授業ではグループワークと実習を積極的に取り入れ、看護実践能力を発揮できる看護師の育成を目指す。

     今春、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として設立された専門職大は、20年春に新たに静岡県立農林環境専門職大(静岡県磐田市)や東京国際工科専門職大(東京都新宿区)などが開校する。この中で、農林業分野では初めての設立となるのが静岡県立農林環境専門職大だ。

     新設学部・学科を見ると、ポイントとなるのは「理系」と「グローバル」だ。

     首都圏では、東京都市大が既存の工学部と知識工学部を理工学部と情報工学部に名称変更し、新たに建築都市デザイン学部が誕生する。工学と理学の融合や情報化社会の進展に伴うIoTや人工知能(AI)、ビッグデータといった先端分野の人材育成に力を入れる。建築都市デザイン学部では、建築工学とデザイン双方の視点を持つ人材を育成するという。同大は現在、世田谷キャンパスの再整備に取り組んでおり、まだまだ動きがありそうだ。

     21年春以降の動きになるが、東京理科大が情報化社会の進展に合わせた学部・学科の再編を計画している。経営学部には、国際デザイン経営学科を新設。基礎工学部は先進工学部に名称変更し、学科名も変える。さらに、葛飾キャンパスでの4年一貫教育とするほか、23年に物理工学科、機能デザイン工学科の新設も構想する。理工学部も名称変更を計画しており、留学生を対象とした国際コースの新設を検討するなど、同大の今後の動きを注視したい。

     このほか、理系学部では神奈川工科大が健康医療科学部を新設する。看護学部看護学科、応用バイオ科学部栄養生命科学科、工学部臨床工学科の3学科を再編するもので、今、医療現場で求められているチーム医療を担う人材の輩出を目指している。

     グローバルでは、専修大が神田キャンパスの新校舎に国際コミュニケーション学部を新設する。日本語学科と異文化コミュニケーション学科からなり、日本語学科は日本語教育のエキスパート養成を目指している。異文化コミュニケーション学科は2年次前期に全員が留学する。複数の外国語を学びながら、幅広いコミュニケーション力を磨く。

     同大ではこれまで生田キャンパスにあった商学部が神田キャンパスに移転。都心への移転で利便性が高まることから人気を集めそうだ。また、経済学部は現行の2学科から現代経済学科、生活環境経済学科、国際経済学科の3学科に再編される。

    経済学部を改組し、経営学部を新設する成蹊大

     神奈川大には国際日本学部が新設される。また、学部新設ではないが、成蹊大は学部横断型のグローバル教育プログラム「EAGLE」をスタートさせる。来春の入試で新設する入試方式で学習意欲、英語力がともに高い30人の学生を選抜する。選抜された学生は各学部に所属しながら、特別な教育プログラムで実践的な語学力を鍛え、海外の協定校などへの留学を行い、グローバルに活躍する人材の育成を目指す。

     同大は経済学部を経済数理、現代経済の2学科に改組、経営学部を新設する。情報化社会が進む中で、より実態に即した教育を行う。

     このほか、経済系学部では、国立大で新潟大が経済学部を改組し、経済科学部を設置するほか、共立女子大がビジネス学部を新設する。女性がビジネスの第一線で活躍し続けるために必要な力を養う。

    グローバル教育に力を入れている大学

    グローバル系拡充、各校が力 国際教養、ICUなどSGU校先行

     日本学生支援機構(JASSO)の18年度の調査によれば、国内の大学(大学院を含む)、短大、高等専門学校、専修学校(専門課程)などに在籍する留学生の総数は29万8980人で、この5年でおよそ10万人増えている。

     このような変化に対し、大学はキャンパスのグローバル化に力を入れ、新たな学部・学科の開設に取り組んでいる。受験生もまた、敏感に反応しており、今年の学部系統別志望動向では、グローバル系の学部に人気が集まっている。

     では、グローバル化に力を入れている大学はどこか。週刊「サンデー毎日」と大学通信は04年から全国2000の進学校進路指導教諭にさまざまな観点から大学の評価を聞いており、その中で「グローバル教育に力を入れている大学」として挙げられたベスト10が表の大学だ。

     これを見ると、神田外語大以外は文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援(SGU)」事業に採択された大学だ。国際教養大、国際基督教大(ICU)、上智大、早稲田大(国際教養学部)、立命館アジア太平洋大の5大学はキャンパスのグローバル化を目指し連携しているほか、上智大と協定を結んでいる関西学院大は、国際機関や国際NGOなどの職員養成を目指すプログラムを持つ。神田外語大は、東京外国語大、関西外国語大などと連携し、東京五輪・パラリンピックを見据えた、語学ボランティア養成講座などで話題を集めている。

    グローバル教養学部がある立命館大大阪いばらきキャンパス

     この中で、最近注目を集めているのが立命館大だろう。今年4月、さらなるグローバル人材育成を目指し、大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)にグローバル教養学部を開設した。この学部の特徴は、全科目の授業を英語で行い、少人数の個別指導にも力を入れていることだ。オーストラリア国立大(ANU)と連携し、卒業時に両大学の学位を同時取得できる。ANUは各種ある世界的な大学ランキングで20位前後に入る名門大として知られている。

     立命館大は情報理工学部が中国・大連理工大と共同で国際情報ソフトウェア学部を開設したり、アメリカン大と共同で「アメリカン大学・立命館大学国際連携学科」を設置したりするなど、海外大とさまざまな取り組みに乗り出している。今後もグローバル化で注目を集めることだろう。

    奨学金、事前予約型導入増える 大学HPなどで情報収集を

     20年度から、住民税非課税世帯やそれに準じる世帯の受験生を対象に、授業料の減免と、返済の必要がない給付型奨学金を柱とした、高等教育の「無償化」制度が動き出す。対象となるのは年収が380万円未満の世帯。家計の状況により給付額は異なるものの、自宅通学者なら、月々の給付額は国公立大が約3万円、私立大は約4万円。自宅外だと国公立大は約7万円、私立大が約8万円となる。

     20年度分の受け付けは終了しているが、給付にあたっては高校での成績も問われる。評定平均は3.5以上が必要だ。それ未満でも給付が認められるケースがあるが、面談やリポートなどで高い学習意欲があると判断されなければならない。

    3人に1人が貸与型利用

     ところで、現在、大学進学にかかる費用はどのくらいなのか。国立大の初年度納付金は約82万円だ。私立大の平均額は社会科学系が約126万円、理工系は約164万円。医学部だと約735万円にもなる。

     そうしたこともあり、現在、奨学金を利用している世帯は多く、JASSOの貸与型奨学金は大学生のおよそ3人に1人が利用している。だが、注意しなければならないのは、貸与型はあくまでも借金だということ。返済の義務が生じるだけに、いくら借りるのかは慎重な判断が必要だ。

     近年、一般入試の前に予約ができ、合格と同時に給付が決まる事前予約型の奨学金を導入する大学が増えている。家計の状況や評定平均値などの条件が整っていれば、予約ができるもので、志望校が決まったら、事前にチェックしておきたい。

     首都圏では、早稲田大や慶応大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、学習院大などが導入している。これらの大学では、地方からの学生を入学させる目的で、1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)以外の高校に在籍する受験生を対象にした奨学金も設けている。

    特待生制度、学内バイト募集も

     私立大の中には、優秀な学生には国公立大より授業料が安くなる特待生制度を設けている大学も多い。また、入学後に家計が厳しい学生を中心に、学生スタッフとして学内で教職員の仕事を補助するアルバイトを募集する大学も増えている。中には一定の研修を受けることでインターンシップとしても単位として認定するところもある。このように、大学に進学してからでも役に立つ、さまざまな制度が増えている。

     JASSOのホームページでは、地方自治体や企業などが独自に設けているさまざまな奨学金の情報も紹介しており参考になるだろう。また、志望校のホームページを調べたり、高校の進路指導の先生や志望大学の窓口に問い合わせてみたりするなど、情報収集をしてみよう。

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