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キャンパスNOW

大学受験2020(4) 関西で進む独自性を出した学部・学科の再編

摂南大枚方キャンパスに開設される農学部の建物の完成予想図=摂南大提供

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志願者が連続して増えている大学

 高大接続教育改革が進められる中で、各大学とも募集方式を変えたり、学部・学科を改組・新設したりするなどの動きを加速させている。2020年春に向けての動きを紹介しよう。【中根正義】

    摂南大 他学部・他大と連携、農学部に注目

     まずは、志願者が連続して増えている大学の表を見てほしい。13年連続の福岡工業大は別格としても、8年連続で龍谷大、桃山学院大、7年連続で追手門学院大、大阪経済大、大阪経済法科大、阪南大、神戸学院大、表にはないが、摂南大も6年連続で志願者を増やすなど関西圏の大学が健闘していることがよく分かる。大学に入学する年齢である18歳人口が減少期を迎えた中で、志願者を増やし続けている大学に共通するのは、情報通信技術の発達や、それに伴うグローバル化を見据え、学部・学科の再編・新設や入試改革、キャンパスのリニューアルや移転など、さまざまな改革を地道に続けていることが受験生の支持を集めているということだろう。

    2020年度に学部・学科を再編、新設する関西の主な大学

     これを踏まえ、20年春に新設される学部・学科を見ていこう。

     学部新設で注目されるのは摂南大農学部だ。大阪府で唯一の学部をうたい、生産から加工、流通、販売、消費といった食農ビジネスの一連の流れを実際の現場で体験できるようにする。また、同大の理工学部や同一法人の大阪工業大学と連携し、AI(人工知能)などの技術を生かした先端農業分野の研究に取り組むほか、バイオ研究にも力を入れる。

     学部が開設される枚方キャンパスには薬学部や看護学部があり、医療系学部と連携したライフサイエンスキャンパスを目指す。摂南大の八木俊策副学長は「都市部にあるという立地も踏まえ、他分野とも連携を深めながら既存の農学部にはない取り組みを進めたい」と意気込む。

     龍谷大は理工学部を先端理工学部に改組する。学科制から課程制を導入するとともに、IoT(モノのインターネット)やAI、ロボットなどの注目されるテーマについては、自由に学べる学部横断型プログラムを設ける。アクティブラーニング科目の充実やインターンシップ・海外留学に挑戦しやすいカリキュラムも用意するという。

     今年、京都学園大から名称変更した京都先端科学大は工学部を設置する。大学理事長を務める日本電産の永守重信会長の肝煎りでできた学部だ。専門教育はもちろん、語学教育にも力を入れ、グローバルエンジニアの育成を目指す。

    武庫川女子大 建築学部新設など大再編

     女子大では、武庫川女子大が大きな学部再編を行う。これまで生活環境学部にあった建築学科を建築学部として新設。女子大初の学部で建築学科と景観建築学科の2学科体制になる。社会が成熟する中で街づくりにおいて、建築・景観設計技術者の養成は欠かせないものになっているだけに、注目されそうだ。経営学部には、女性の社会進出が進む中で、キャリアデザインをどう描いていくかを考える講座が多数用意されている。女性の実務家教員も多く、実践的な学びが期待できそうだ。同大では、このほか、食の専門家を養成することを目的に、生活環境学部の食物栄養学科を食物栄養科学部として独立させ、食物栄養学科、食創造科学科の2学科体制にする。

     また、甲南女子大に国際学部ができる。国際英語学科と多文化コミュニケーション学科からなる。多彩な留学プログラムが用意されているほか、神戸の外国人コミュニティーとの交流など、国際都市にある大学としての地の利を生かし、グローバル人材の育成を図る。

     表にはないが、立命館大は理工学部数理科学科に数学コースとデータサイエンスコースを設置。文学部では約半数の授業を英語で行う国際コミュニケーション学域と日本語教員養成プログラムを充実させた言語コミュニケーション学域を新設する。また、西洋史学専攻をヨーロッパ・イスラーム史専攻に、日本文化情報学専攻を日本語情報学専攻にそれぞれ改編し、情報化、グローバル化社会に合わせ、より柔軟な学びを提供する。

     追手門学院大は社会学部社会学科にスポーツ文化学専攻を開設。スタジアム建築からのスポーツ空間の創造やスポーツマネジメント、スポーツ科学、競技スポーツなどをテーマに、近年脚光を浴びるスポーツ社会学を幅広く学ぶ。また、地域創造学部地域創造学科には食と農学を学ぶ食農マネジメントコースを開設する。

     大和大は理工学部の新設を予定する。学部横断型の学びを豊富に用意するだけでなく、政治経済学部と合同で日本を代表する企業約30社による文理融合型の実学講座など、分野融合型のプログラムを提供するのが大きな特徴だ。

    グローバル教養学部がある立命館大大阪いばらきキャンパス

    グローバル化、各校注力

     グローバル化の進展もあり、訪日観光客は2005年の670万人が、昨年は3000万人を突破した。また、街中でもコンビニやファミリーレストランで働く外国人は、もはや当たり前のこととなりつつある。

     このような社会背景は、高等教育にも大きな影響を与えている。

     日本学生支援機構(JASSO)の18年度の調査によれば、国内の大学(大学院を含む)、短大、高等専門学校、専修学校(専門課程)などに在籍する留学生の総数は29万8980人で、この5年でおよそ10万人増えている。

     社会環境の変化に対し、大学はキャンパスのグローバル化に力を入れ、新たな学部・学科の開設に取り組んでいる。受験生もまた、敏感に反応している。今年の学部系統別志望動向では、グローバル系学部がある大学の人気が高まっている。

     では、グローバル化に力を入れている大学はどこか。 国際教養大や国際基督教大(ICU)、上智大、早稲田大(国際教養学部)、立命館アジア太平洋大の5大学はキャンパスのグローバル化を目指し連携している。上智大と協定を結んでいる関西学院大は、国際機関や国際NGOなどの職員養成を目指すプログラムを持つ。神田外語大は、東京外国語大や関西外国語大などと連携し、東京五輪・パラリンピックを見据えた、語学ボランティア養成講座などで話題を集めている。

    立命館大 全授業英語で新学部

     この中で、注目を集めているのが立命館大だ。今年4月、大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)にグローバル教養学部を開設した。特徴は、全科目の授業を英語で行い、少人数の個別指導にも力を入れていることだ。オーストラリア国立大(ANU)と連携し、卒業時に両大学の学位を同時取得できる。ANUは各種ある世界的な大学ランキングで20位前後に入る名門大だ。

     立命館大は情報理工学部が中国・大連理工大と共同で国際情報ソフトウェア学部を開設したり、アメリカン大との共同で「アメリカン大学・立命館大学国際連携学科」を設置したりするなど、さまざまな取り組みが行われており、今後もグローバル化で注目を集めそうだ。

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