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首里城火災 復興の象徴、防火に穴 歴史再考の契機に 沖縄出身作家・大城立裕氏

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沖縄出身作家・大城立裕氏
沖縄出身作家・大城立裕氏

 1972年の本土復帰後、沖縄県民が取り戻したウチナーンチュ(沖縄の人)のアイデンティティー(主体性)を象徴していたのが首里城だった。あまりの衝撃に言葉を失っている。

 私は沖縄戦の翌年、留学先の中国・上海から本土経由で沖縄に帰郷した。小学生時代を過ごした首里一帯は真っ白な焼け野原だった。当時は戦火で焼け落ちた首里城を訪れようとは思わなかった。地上戦であまりに多くの人命や財産が失われた喪失感に島全体が覆われ、戦後すぐは県民に歴史・文化的遺産を再建する心の余裕がなく、跡地は一時大学になった。

 米軍統治下の60年代半ば、私は首里城近くの城西小学校の校歌の作詞を依頼された時、一節に「首里城の空かけてゆく 若たかのよう」と書いた。「城はもうない」と反発もあったが、やがて沖縄の心のよりどころとなる予感があった。

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