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記者の目

東電原発事故、無罪判決 強制起訴制度の定着を=巽賢司(東京社会部)

「全員無罪 不当判決」と書かれた紙を掲げる福島原発告訴団の関係者=東京都千代田区の東京地裁前で9月19日午後1時23分、宮間俊樹撮影

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故を巡って、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人に対し、東京地裁は9月、いずれも無罪を言い渡した。強制起訴された事件では、これまで無罪判決が相次ぎ、制度の不公平、不透明感が指摘されている。「市民による起訴」の意義が社会で広く受け入れられるよう改善を加え、これからも事例を積み上げていくべきだと感じている。

 強制起訴制度は、検察官が独占する起訴・不起訴の権限に市民感覚を反映させようと、裁判員制度とともに09年に始まった。検察が不起訴とした事件で、被害者らの申し立てを受けた検察審査会(検審)の審査員11人のうち、8人以上が2回にわたり「起訴すべきだ」と議決すれば、裁判所が指定した弁護士が検察官役となって強制起訴する。これまで9件で13人が強制起訴され、8件10人の判決が確定した。だが、有罪は2件2人にとどまる。

 無罪や、裁判を打ち切る免訴とされた中には、原発事故と同様、多数の死傷者が出た明石歩道橋事故やJR福知山線脱線事故が含まれる。これらは、わざと起こした「故意犯」ではなく、誤って起こした「過失犯」だ。刑法は故意犯の処罰を原則としており、過失犯の成立を幅広く認めると、例外の処罰範囲が広がりすぎてしまう。このため、検察や裁判所は「事故前の段階で、事故を具体的に予見し、避けることが可能だった」と言えるだけ…

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