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河井法相も辞任 安倍内閣の劣化は深刻だ

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 「任命責任は私にある」という安倍晋三首相の言葉は、もう聞き飽きた――と多くの国民があきれているだろう。河井克行法相(自民党、衆院広島3区)がきのう、辞任した。

 今夏の参院選で初当選した河井氏の妻、案里氏の陣営が選挙中、車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った疑いがあると報じられたことを受けての辞任である。

 安倍内閣では先週、菅原一秀氏が有権者に金品を配った疑惑により経済産業相を辞めたばかりだ。いずれも9月の内閣改造で初入閣した閣僚で、いかに今度の改造人事がずさんだったかを物語っている。

 河井氏は辞任の理由を「法務行政への信頼が損なわれてはならない」と述べ、疑惑については「私も妻も全くあずかり知らない」と語った。

 だが、公職選挙法では車上運動員への限度を超える日当は買収に当たる。仮に候補者が直接関与していなくても、場合によっては候補者に連座制が適用されて当選が無効となる可能性がある。

 菅原氏の贈答疑惑と同様、買収が禁じられているのは政治家にとってイロハのイの常識だ。河井克行氏本人も妻の選挙運動を支えていた。

 今回も疑惑が発覚し、国会で野党から追及を受ける直前に閣僚を辞任して国会質疑から逃れた点も看過できない。無関係だと言うのなら堂々と国会で説明すればいい。そうしないのは、やはり何か疑わしいことがあるのではないかと見られても仕方がない。

 河井氏は安倍首相の補佐官などを務めた側近の一人で、菅義偉官房長官にも近い。一方、案里氏は参院選直前に広島選挙区(改選数2)からの出馬を決めて立候補した結果、自民党の現職が落選した。

 案里氏の出馬を後押ししたのは菅氏で、その強引な手法には自民党内にも不満が残っていた。にもかかわらず今回の失態に党内から強い批判が出ないのは不思議なほどだ。

 「在庫一掃」と言われた先の内閣改造のツケは極めて重い。萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言なども含めて閣僚の質の劣化は深刻だ。

 辞任した2人だけでなく、なぜこんな事態に陥っているのか、首相自身が国会できちんと説明するのが、任命者として最低限の責任だ。

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