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スミレの香り

/141 馳星周 画 田中靖夫

 スマホに着信があった。津田からだった。

「DNA鑑定をするまでもなかった。あの別荘から、菊澤由紀恵の指紋が山ほど出たぞ」

 電話に出ると、津田が挨拶(あいさつ)抜きで本題に入った。

「菊澤由紀恵だけじゃない。少し古い指紋だが、石川克彦の指紋も出た」

 石川克彦は、菊澤由紀恵と同じで逃亡中の信者だった。

「あの別荘はやつらのアジトのひとつだったんだ。間違いない。これから、長野県警の公安が戸崎を逮捕しに向かう。まだ、ホテルにいるんだろうな」

 吉澤祥子のことを話そうかどうか一瞬、迷い、話さないことに決めた。理由などない。ただ、そうした方がいいと思ったのだ。

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