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時の在りか

「靖国」など日本の戦後をテーマに取材を続けている伊藤智永編集委員が、政治を「座標軸」に鋭く論じます。

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緒方貞子さんの「狼の義」=伊藤智永

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 住みかを追われ、何とか命をつないでもらった女性は、難民キャンプで産んだ娘に「サダコ・オガタ」と名付けた。同じ名前の女の子が世界各地にいるという。

 緒方貞子さんに「貞子」と命名したのは曽祖父の犬養毅元首相である。首相官邸へ乱入した海軍将校たちに「話せば分かる」とたばこを勧めた犬養が「問答無用」と頭を銃撃された時、貞子さんは4歳。事件の記憶はなくても、非命は貞子さんの生涯を導いた。

 外交官だった父親に付いて、幼少期の8年間を戦前の米国と中国で育つ。「軍部は悪い」と普通に話す家だった。敗戦時17歳。

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