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社説

五輪マラソン札幌決定 「ワンチーム」には程遠い

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 東京五輪のマラソン、競歩コースの札幌移転が決着した。東京都の小池百合子知事が「同意はしないが、決定は妨げない」との表現で受け入れる異例の展開だった。

 東京では酷暑下の開催が予想されるため、コース変更は選手の健康面を考えればやむを得ない。

 国際オリンピック委員会(IOC)と日本側(都、組織委員会、国)の4者協議では、札幌へのコース変更に伴う新たな経費を都が負担しないことを確認した。都の頭越しに決めた経緯をみれば、妥当な結論だ。

 小池知事は「合意なき決定」と述べ、IOCから一方的に結論を押しつけられた不満をあらわにした。都民の反発も意識したに違いない。

 ただし、費用面で折り合いがついた以上、都は札幌での実施に協力する態度を見せるべきだ。それが開催都市としての責任ある対応だろう。

 IOCと組織委は、都を軽視したことを十分反省してもらいたい。組織委の森喜朗会長と小池知事は意思疎通を欠き、両者の溝が改めて浮き彫りになった。

 亀裂を修復できなければ、小池知事も森会長もきのう強調していた「ワンチーム」には程遠い。大会本番まで約9カ月となったが、開催準備が円滑に進んでいるのか、現状では大きな不安を抱かざるを得ない。

 札幌開催への課題は多い。マラソンの発着点には、毎年8月下旬に行われる北海道マラソンと同じ大通公園が挙がっているが、コースやスタート時間の決定を急がないと選手の準備に影響が出る。

 マラソンと20キロ競歩をそれぞれ男女同日開催とし、これに男子50キロ競歩を加えた3日間の日程にする案が持ち上がっている。早急に決めないと運営にも支障をきたすだろう。

 都内に五輪警備が集中する中、一般道を使うマラソンや競歩のコースには多数の警備員やボランティアが欠かせない。関係者の移動では輸送や宿泊の問題も生じる。

 暑さの問題は2024年パリ、28年ロサンゼルス両五輪でも浮上するだろう。夏季大会の時期変更や、一部競技の冬季大会への移行を記者会見で問われたIOCのジョン・コーツ調整委員長は返答をはぐらかした。だが、IOCは今回のコース変更を踏まえ、真剣に検討すべきだ。

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