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余録

「月よりの使者」といえば…

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 「月よりの使者」といえば、さっそうと現れる正義のヒロインやヒーローを思い浮かべる人もいるだろうが、19世紀後半の英国では選挙買収の請負人のことを言った。顔がわからぬよう待ち合わせ場所の壁の穴を通して金銭の授受を行ったりしたという▲有権者の税金を肩代わりし、運動員に法外な報酬を払うといった脱法行為も横行した。業を煮やしたグラッドストン首相は不正一掃に乗り出し、その厳格さに候補者は震え上がった。1883年の腐敗防止法である▲候補者が関わらない運動員の違反でも当選者は議席を失い、被選挙権を剥奪された。厳罰を伴う連座制は世界で採用が進み、日本も公職選挙法に明記した。政治生命をも奪うその規定を知らない政治家はいないだろう▲にもかかわらず、不正が後を絶たないのはどういうことか。菅原一秀(すがわら・いっしゅう)経済産業相の秘書が通夜で香典を渡し、河井克行(かわい・かつゆき)法相の妻で参院議員の陣営が運動員に法定を超える日当を支払ったという。両氏は辞任に追い込まれた▲本人たちは詳細な説明をせず、真相もわからない。だが、そもそも順法意識を徹底していれば、こうした疑惑は生まれないのではないか。どんな指導をしてきたのか、してこなかったのか。責任は政治家にある▲「秘書が」の釈明が批判されたリクルート事件の反省から1994年の政治改革で連座制の対象に秘書や選挙運動管理者を加えた。それから25年。「あずかり知らぬ」で今も通ると思う政治家がいるなら時代錯誤もはなはだしい。

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