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社説

台風の災害ごみ 早急に広域処理の推進を

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 台風19号など一連の風水害で発生した災害ごみの処理が各地で課題となっている。浸水した住宅から出た家財道具などだ。

     昨年の西日本豪雨で出たごみは約200万トンだった。今回の総量はそれを上回る見込みだ。すべての処理を完了するには数年かかるとみられている。

     処理を一義的に担うのは市町村だ。ごみは各地の仮置き場に集められた後、処理施設へ運ばれる。回収が進まないと生活再建の妨げになる。水害に伴うごみは腐敗しやすいため感染症のリスクも生じる。復旧を進めるうえで大きな障害になる。

     被災地では今、大量のごみによってさまざまな問題が起きている。地域の施設では処理が追いつかなくなり、仮置き場を閉鎖せざるをえなくなった町がある。仮置き場が満杯のため、公園や畑に捨てられるごみも少なくないという。

     今回のような大規模災害で、地域の処理能力を超えるごみが出た場合に大きな力となるのは広域処理だ。

     福島県郡山市では市内2カ所の処理施設の一つが水没した。このため国が保有する浪江町と南相馬市の施設に運んで処理している。長野県のごみについては、富山県を中心に受け入れる計画が進む。こうした広域処理を各地で早急に推進すべきだ。

     平時から自治体間でごみの相互受け入れ協定を結んでおけば、災害発生後に具体的な処理の行動計画を迅速に描ける。だが、都道府県によって協定の進み具合には差がある。

     想定するごみの量や仮置き場候補地などを事前にまとめた「災害廃棄物処理計画」の策定も課題だ。環境省は2014年、策定を全国の自治体に求めた。だが、昨年3月までに策定した市区町村は3割にも満たない。今回の台風被災地にも未策定のところがあった。

     背景には、中小の自治体では専門知識を持つ職員がいなかったり、仮置き場とする適当な空き地が見つからなかったりする事情もある。国や都道府県がいっそうサポートし、策定率を高めるべきだ。

     気候変動で災害の広域化が進むほど、ごみ問題も深刻化していく。事前の備えと事後の処理の両面で、市町村を支える仕組みを強化していかねばならない。

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