知的障害がないことが推察されながら、特別支援学級に通う外国籍の子どもに対し、学校はどう向き合っているのか。現場を取材すると、教師の個人的なスキルや情熱に支えられがちな現状が浮かぶ。
関東地方のある小学校に一昨年、フィリピン人の男児が転入してきた。当時10歳で5年生だったが日本語が満足に理解できず、特別支援学級に籍を置くことになった。担任の女性教諭(53)は、すぐに知的障害がないことに気付いた。教科書をゆっくり読めば内容を理解できる。抽象的な宮沢賢治の寓話(ぐうわ)も、登場人物の気持ちを「たのしい」「こわい」などと的確に表現した。
男児がつまずいていたのは漢字だった。テストの解答は平仮名。教諭は教科書やプリントの全ての漢字に振り仮名をつけ、授業でも言葉の意味をやさしく丁寧に説明するよう心掛けた。
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