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SUNDAY LIBRARY

三浦 天紗子・評『妻の終活』坂井希久子・著

◆『妻の終活』坂井希久子・著(祥伝社/税別1400円)

 70歳の一ノ瀬廉太郎(れんたろう)は、二つ下の妻・杏子(きょうこ)と二人暮らし。廉太郎は定年後も同じ製菓会社で仕事を続ける嘱託社員で、仕事一筋といえば聞こえはいいが、専業主婦の妻が用意してくれた食事や洗濯物や整った部屋を何の感謝もなく享受していた。自分が悪いとわかっていても、怒鳴り散らしてごまかすタチで、熟年離婚を突きつけられても不思議はないジコチューぶり。だが、日本のこの世代ではそうめずらしくもないかもしれない。

 ところが、妻に虫垂がんが見つかる。ステージ4で播種(はしゅ)転移を起こしており余命1年、治療の手立てはないという。医者ではなく、妻と長女の美智子の口から聞くことになったのは、廉太郎が仕事を口実に病院の付き添いを拒んだためだ。ろくすっぽ家事もできない。とんでもない失言もする。〈仕事だと言えばたいていのことは許された〉という思考がたたり、いまや廉太郎はダメ夫の見本市。妻とはあと1年で死別するのだとい…

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