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1歳児にエアガン発射 傷害容疑両親逮捕 昨年、肺感染症で死亡 福岡県警

死亡した1歳4カ月の男児が両親にエアガンで撃たれたとされる、一家が暮らす団地の一室=福岡県田川市伊加利で2019年11月6日午後8時14分、一宮俊介撮影

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 エアガンで1歳4カ月の男児にプラスチック製のBB弾を多数発射し、けがをさせたとして、福岡県警は6日、男児の父親で土木業の常慶(じょうけい)雅則(24)=同県田川市伊加利(いかり)=と、母親で無職の藍(24)=同=の両容疑者を傷害容疑で逮捕した。男児は昨年12月に肺感染症で死亡しており、県警は日常的な虐待がなかったか追及する。

容疑否認、あざ数十カ所

 逮捕容疑は昨年11月下旬ごろ、自宅で三男の唯雅(ゆいが)ちゃんの体にBB弾を多数命中させ、加療約3週間の皮下出血などのけがをさせたとしている。2人はいずれも「撃ったことはない」と容疑を否認している。

福岡県田川市

 県警によると、事件は昨年12月1日午前4時20分ごろ、藍容疑者から「息子が心肺停止状態です」と119番があり、搬送先の病院で全身にあざが見つかって発覚。唯雅ちゃんは同日朝に死亡した。死亡時の体重は同じ年齢の平均を顕著に下回っていたという。

 一家は当時、逮捕された両親と3歳の長男、唯雅ちゃん、生後3カ月の長女の5人暮らし。次男は2016年に死亡している。

 唯雅ちゃんにはBB弾によるとみられる直径数ミリのあざが顔を含め全身に数十カ所あった。雅則容疑者は任意の捜査段階で「お兄ちゃん(長男)が撃った」と話し、長男は「撃っていない」と言っているという。自宅からは複数のライフル銃型エアガンを押収した。

 事件後間もなく長男と長女は県内の児童相談所に保護され、今年7月に生まれた次女も保護された。一方、児相などによると、次男の死因は、うつぶせで就寝中に発症することが多い乳幼児突然死症候群(SIDS)だった。県警は当時、事件性がないと判断していた。【柿崎誠】

児相の見守り対象、「なぜ防げなかったのか」

 逮捕された両親については、子供たちへの虐待の疑いもあるとして、児相などの関係機関が見守り対象にしていた。事件後、常慶唯雅ちゃんのきょうだいを保護した福岡県田川児童相談所の幹部は取材に「結果的に亡くなっているので(虐待だとしたら)なぜ防げなかったのか考えたい。県の調査、検証を受ける立場にもなると思う」と語った。

 児相によると、昨年1月、長男の「ほっぺたが腫れていておかしい」と情報提供があった。職員2人を自宅に派遣して確認したところ、母親の藍容疑者と長男がいずれも「壁にぶつかった」と説明。不審な点も確認できなかったため「問題はない」と判断したが、児相や田川市、警察などの関係機関が対応を話し合う要保護児童対策地域協議会(要対協)で一家について情報共有し、市職員が定期訪問することになった。

 その後、昨年5月には当時妊娠中だった藍容疑者が「妊婦健診に来ない」と市から連絡があり、児相が面会していた。ただ、唯雅ちゃんへの虐待に関する通報は死亡するまでなかったという。

 近所でも一家の様子を気に掛けている住民がいた。一家は県営団地の5階に暮らしているが、同じ団地に住む30代の女性会社員は「去年だと思うが、3階の階段踊り場の柵をつかんで小さな子供が泣き叫んでいた」と振り返る。団地の自治会長を務める男性(71)は「飼い犬の鳴き声がうるさく、自宅を訪れたことがある。玄関から部屋の中を見るとゴミが散らかっていて普通じゃない感じがしていた」と話した。

 一方、同じ団地に住み、父親の雅則容疑者を幼いころから知る男性会社員(42)は「夫婦が子供をトラックに乗せて仲良く出かける様子も見た。(雅則容疑者は)『虐待をしていないのに何で警察に調べられるのか』と落ち込んだ様子だった。やっていないと信じたい」と語った。【平塚雄太、中里顕、一宮俊介】

BB弾

 エアガンに装塡(そうてん)する弾の一つ。互いに撃ち合う「サバイバルゲーム」などで使用される。国内で流通している弾は6ミリのプラスチック製で、0・2グラムか0・25グラムが主流。BB弾の威力を高めるためのエアガン改造が相次ぎ、2006年の銃刀法改正で規定以上の威力の改造エアガンの所持が禁じられた。09年には福岡県で、改造エアガンで約1メートルの距離から発射されたBB弾で男児が失明した。

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