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踏み跡にたたずんで

黒い羽根のある沈黙=小野正嗣

 カラスたちが舞う。荒れ狂う大波のような風が次々と襲ってくる。飲み込まれまい、溺れまいとあがくことが飛ぶことの同義となる。

 だから、カラスたちはみずからの意志で飛んでいるのではなく、風に弄(もてあそ)ばれているようにしか見えない。実際、翼が打たれることはない。ただ広げられている。一羽一羽がバラバラにされた黒い読点になって空間に散りまかれる。

 そのようにして風は何かを綴(つづ)ろうとしている。むろん読点だけでは決して文章を作ることはできないけれど、かといって、風は沈黙に甘んじることもできない。

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