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余録

トカゲのしっぽ切りのように…

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 トカゲのしっぽ切りのように動物が危険に際し体の一部を自ら切断、放棄するのを「自切(じせつ)」と呼ぶ。トカゲの場合、尾に切れやすいところがあり、切られた尾は動き回って捕食者の目を引きつける役も果たす▲無脊椎(むせきつい)動物ではクモやカニの足の自切が知られるが、7年ほど前には沖縄・八重山諸島のカタツムリも天敵のヘビに襲われると尾を切り捨てて殻の中に逃れるという発見が報じられた。生物界も身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれである▲だが人間界の責任逃れの「しっぽ切り」は「自切」ではなく、手下を切り捨てて追及を逃れる「他切」である。おれおれ詐欺など特殊詐欺の黒幕にとっては、被害者から金を受け取る役の「受け子」らは使い捨ての「しっぽ」だろう▲驚いたのは神奈川県警の現職警官や女子サッカーなでしこリーグの元選手が受け子役で特殊詐欺に関与したとして逮捕されたニュースである。一方、別事件で受け子を組織した暴力団員の摘発もあり、特殊詐欺の黒幕の一端も見えた▲指示はすべて電話で受け、被害者から取った金を渡す際も相手と顔を合わせないとは過去に受け子役をしていた少年の話である。しっぽは切れやすくしておくのが組織犯罪の常道で、被害者に顔をさらす役は真っ先に置き去りになる▲「高額バイト」の甘言にのせられて詐欺に走る人たちが多いのは困ったことだが、事のすべてをよく知るはずの警察官のしっぽ志願まで現れたのが情けない。やはり黒幕が逃げ込む殻をたたかねばならない。

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