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社説

集中審議の首相答弁 説明責任果たしていない

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 衆院予算委員会の集中審議が開かれた。菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相の辞任について、安倍晋三首相が任命権者として初めて国会に説明する場だった。

 両氏については過去に週刊誌などで「政治とカネ」などにまつわる問題が報じられていた。それでも重要閣僚に任命した責任について首相がどう説明したかがポイントだ。

 しかし、首相は「責任を痛感している」と言いながら、その責任は新しい閣僚のもとで行政を前に進めていくことで果たすと繰り返した。これでは、あえて両氏を任命した人事の説明になっていない。

 9月の内閣改造は「在庫一掃」などと皮肉られ、適材適所より、首相や菅義偉官房長官との関係の近さを優先したのではないかと指摘されてきた。「それぞれの任にふさわしい人物を任命した」と言うだけでは、そうした疑念を深めるばかりだ。

 両氏とも選挙に絡む疑惑を持たれながら、国会で説明することなく辞任した。首相が任命責任の重さを本当に感じているなら、本人たちに国会での説明を求めるのが当然だ。

 しかし、首相は「与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が説明責任を果たすべきだ」と一般論にすり替え、両氏から事情を聴取したかを問われても答えなかった。

 そうやって閣僚不祥事のたびに問題の本質にふたをし、責任をうやむやにしてきた。その結果が第2次安倍内閣以降の10人に及ぶ閣僚辞任となって表れているのではないか。

 大学入試への英語民間試験の導入を見送ったことについても首相の説明責任が問われた。

 家庭の所得や居住地域によって格差が生じる懸念は当初から指摘されてきたのに強行突破を図ろうとしていたのは首相の任命した歴代の文部科学相だ。受験生の不安に政権として向き合う気はあるのか、首相から責任ある説明は聞かれなかった。

 「準備状況が十分ではないため」という萩生田光一文科相の説明をなぞるばかりの答弁では論点をそらしている。萩生田氏は1年かけて検討し直すと言うが、導入を決めた経緯の検証なしに前には進めない。

 臨時国会の会期は1カ月残っている。あす参院予算委もある。首相はまだ説明責任を果たしていない。

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