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広島最多セーブ記録 永川2軍投手コーチ「抑えの極意」語る

抑えで球団の歴史に名を刻んだ永川2軍コーチの現役時代の姿=広島市民球場で2003年9月4日、梅村直承撮影

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 プロ野球は新人選手選択(ドラフト)会議が終わり、ロッテに1位指名された佐々木朗希(岩手・大船渡高)、ヤクルトの1位指名の奥川恭伸(石川・星稜高)両投手らが注目されている。その一方で、現役引退を決断した選手もいる。広島の永川勝浩2軍投手コーチ(38)もその一人。プロ17年で球団最多の165セーブをマークし、球団の歴史に名を残した永川コーチに「抑え投手」の極意などを聞いた。【聞き手・中村有花】

 引退試合(9月23日)は、チームのクライマックスシリーズ(CS)進出が確定せず、緊迫した状況で迎えることになった。

 ◆前日(22日)は、赤松真人選手(現2軍外野守備走塁コーチ)の引退試合が予定されていたが、雨で中止。中止が決まった直後に佐々岡(真司)さん(当時投手コーチ、現1軍監督)から電話があり、「明日、先発で(打者)1人、行くから」と言われた。

 それまで何度も見てきた引退試合では、引退する投手が打者1人に投げ「空振り三振」というシーン。チームがCS進出争いをしていたから、実際に試合で投げられるかどうか分からないと思っていたけど、投げられるならこういうふうになるかなと思っていた。それがまさかの「打者1人との真剣勝負」。そう伝えられてからの緊張はすごかった。

 今季はそこまで1軍登板はなし。最後の登板で、15年ぶりに「先発」のマウンドに立つことになった。しかし、永川が気にしていたのは、実質的な先発として2人目の打者から登板する大瀬良大地投手のことだった。

 ◆先発がいきなり走者を背負い、セットポジションで投げ始めるのと、走者なしでいつも通りワインドアップで試合に入るのとではだいぶ違う。走者を置くぐらいなら、本塁打のほうがいいと思った。(結果)一塁手の松山がスーパープレーで捕球してくれてありがたかった。(一塁のベースカバーで)最後まで全力疾走させるんか、と思ったけど、アウトにした後はほっとして笑顔が出た。

 1年目に25セーブを記録した。

抑え投手について語る永川2軍コーチ=広島市南区で2019年9月26日、加古信志撮影

 ◆自由枠で広島に獲得してもらったけれど、その頃は自分に自信がなかった。初めは5年で辞めると思っていたから。それなのに、キャンプ中の紅白戦やオープン戦で1点も取られず、開幕1軍を勝ち取った。それで調子に乗った部分もあったけれど、シーズンの最後は腰を痛めて離脱してて、2年目にやられて(2年目は4セーブ)。なるようになっていたなと思う。1年目を思い返すと、生意気だったと思うし、先輩にも迷惑をかけた。後輩には調子に乗らないようにとアドバイスをしたい。

 4年目の2006年からは、4年連続20セーブ以上をマーク。「抑え」のポジションに定着した。

 ◆「抑え」は性格的に合っていたんだと思う。吐きそうになりながら、ブルペンからマウンドに出て行く投手もたくさん見てきた。でも自分は全然緊張したことがなかった。次の日投げるかどうかも分からないんだから、寝られないなんてこともない。マウンドに立てば、やることは変わらないんだから。その頃は、八回で3点リードしていたら、「これ以上点を取るな」って思っていた。

 「抑え」の極意とは?

 ◆先発でも、中継ぎでも、抑えでも、どこも難しいけれど、抑えが難しいのは後がないから。でも、ずっと抑えをやっていた頃に本気で思っていたのは「別に失敗しても殺されることはない、死ぬことはない」ということ。逃げ道があれば、人間はなんとかなる。死なないと思ったらどうにでもなる。若い頃は次の1球で、腕が飛んでもいいというぐらいの気持ちで投げていた。

 30歳を過ぎた頃から、成績が伸びなくなった。

 ◆引退間近になって、その気持ちが消えた。自信もなくなった。昔なら、例えば1死一塁では、三振、三振に仕留めてやろうと思っていた。打たせたら、打球がイレギュラーしたり、失策することもあるから、三振が一番良い。それが、併殺打を打ってくれないかなとか相手に委ねてしまう気持ちが生まれてしまった。そのあたりから、ちょっと違う、だめだなと。故障もあり、ここ10年近くはずっとこんな感じだったのかもしれない。

 旧広島市民球場で投げた最後の投手。マツダスタジアムの開場とともに、球団の人気は急上昇。入団初年度に94万人台だった入場者数が、5年連続で200万人を超えた。

 ◆市民球場で投げていた頃、カウント2ボールになったらブーイング。ボールひとつで、ファンのため息が聞こえた。だけど今は、2ボールで「がんばれー」って声援が起こる。3ボールになっても「ここから頑張れ」と言ってくれる。ホームの高い勝率に大きく影響していると思う。ファンの人の力はすごいよ、やっぱり。

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