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社説

被災地のボランティア 参加しやすい環境整備を

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 台風19号などの被災地でボランティアによる支援が広がっている。

     全国社会福祉協議会(全社協)によると、すでに延べ11万人以上が駆けつけた。浸水被害を受けた家屋の片付けや泥のかき出しなど、復旧に欠かせない担い手となっている。

     ただ、今回は被災が広範囲にわたるため、東北地方など地域によっては復旧の人手不足はなお、深刻だ。役場が浸水被害を受けた宮城県丸森町は高齢住民が多く、泥の搬出もままならない家屋が少なくない。

     地域ニーズやボランティア参加者のばらつきをどう、周知していくかが当面の課題となる。全社協はホームページで支援が必要な地域を「◎」で示し日々更新している。NPOなども情報発信に努めてほしい。

     同時にボランティアが参加しやすい環境整備も考えていきたい。

     ボランティアは個人の善意であり、無償で自己完結した活動が原則なのは言うまでもない。だが、被災地での活動には、交通費や宿泊費などの負担、職場の理解などが課題となることも事実だ。

     東日本大震災後、内閣府がボランティア活動をしなかった人に理由を聞いたところ4割が「資金的な余裕がないから」と答えた。ボランティアが行動しやすいよう後押しすることは理念とも矛盾しまい。

     兵庫県は今年度から、災害ボランティアを独自に支援する制度を設け、台風19号で初適用した。兵庫に拠点がある5人以上の団体・グループが長野県内で活動した場合、交通費や宿泊費の助成対象とする。他の自治体にも参考になるだろう。

     他にもボランティアバスや高速料金無料措置、フェリーの割引制度などの取り組みがある。厚生労働省の調査で4・5%の企業にとどまるボランティア休暇制度の普及にも、経済界全体で取り組むべきだ。

     国の支援をめぐっては、東日本大震災の被災者や神戸市民らが、かつて35万人の署名を添えて災害ボランティアに交通費などを支援する制度の創設を働きかけたが実現しなかった。財源や災害以外のボランティアとの公平性が懸念されたためだ。

     だが南海トラフ地震や首都直下地震では更に多くのボランティアの活動が必要になる。国も支援のあり方を考える段階だろう。

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