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令和・即位の礼

憲政史上初となる退位に伴って皇位を継承した天皇陛下の即位儀式についてまとめました。

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大嘗祭に大阪・深江の菅笠 万葉以来、受け継がれた伝統

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大嘗祭で使われる御菅蓋の複製品を前に笑顔を見せる「深江笠縫保存会」のメンバーら=大阪市東成区で、山田尚弘撮影
大嘗祭で使われる御菅蓋の複製品を前に笑顔を見せる「深江笠縫保存会」のメンバーら=大阪市東成区で、山田尚弘撮影

 皇位継承に伴って、14、15日に行われる皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」では、天皇陛下が「御菅蓋(おかんがい)」と呼ばれる菅笠(すげかさ)を使われる。大阪市東成区の深江地域では2000年以上の伝統が受け継がれ、近年は「深江笠縫(かさぬい)保存会」(石川健二会長)が歴代天皇の即位の度に納めてきた。令和の大嘗祭を控え、携わったメンバーらは、行事が無事執り行われることを願う。【林由紀子】

 深江では、垂仁(すいにん)天皇(記紀伝承上では紀元前後)のころ、大和から移り住んだ笠縫氏が菅笠作りを始めたと伝わり、「摂津笠縫邑(むら)跡」として大阪府の史跡に指定されている。万葉集に詠まれたほか、江戸時代には、伊勢参りの道中安全を願って買い求める人々でにぎわった。産業としての菅細工が廃れた後も、技は地域の女性たちによって脈々と受け継がれ、保存会は20年に1度の伊勢神宮の式年遷宮でも儀式用の笠を…

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