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台風19号「河川決壊の大半、外側からの越水」 宮城県調査

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 台風19号で川が氾濫して甚大な被害が出た宮城県丸森町で、住宅地や農地からあふれた水が堤防の外側から河川に入って堤防の決壊を引き起こしていたことが県の調査で判明した。同町で決壊した18カ所のうち16カ所がこれにあたるとみられている。通常、堤防は水の流れていない外側からの越水を考慮しておらず、想定外の水の流れが被害を大きくした可能性がある。専門家は「今回の被害実態を踏まえた堤防の整備方法を考える必要がある」と指摘する。【遠藤大志】

 町内の堤防の決壊メカニズムや復旧工法について有識者が話し合う技術検討会で県担当者が8日、報告した。同町では大雨により県が管理する阿武隈川水系の新川、内川、五福谷川の3河川で計18カ所が決壊し、流域の244ヘクタールが浸水。水害や土砂崩れなどで10人が死亡し、1人が行方不明となっている。

 今回の台風では、10月13日に町の山間部にある筆甫(ひっぽ)地区で24時間降水量が観測史上最大となる588ミリを記録。県の調査によると、3河川の上流であふれた水が低地にある住宅地や農地に流れ込んでたまり、越水してのり面を削ったことで決壊した可能性が高いという。

 東北大の調査などでは、役場庁舎がある中心市街地でも山から下ってきた雨水が排水されずにあふれる内水氾濫が起きていた。こうした現象は山に囲まれて、水がたまりやすい丸森町の地形が影響しているとみられる。

 通常、堤防は河川側からの越水でダメージを受けやすい堤防外側ののり面が崩れないようにコンクリートで補強するなどの対策を取る。堤防の外から越水して河川側ののり面を削った今回のようなケースは想定されていない。県担当者は「これまでにないほどの雨量だった。外からの越水は県内でも例がなく、想定した河川整備もしてこなかった」と明かす。

 堤防が壊れた18カ所の応急復旧は国が工事を代行し、今月5日までに完了した。本格復旧はこれからで、技術検討会で出た意見を参考に今後の整備方針を決めるという。

 今回の台風では福島県須賀川市の阿武隈川堤防も同様のメカニズムで決壊したとみられ、技術検討会座長の田中仁・東北大大学院教授は「極めて珍しい事象だ。今回の被害を踏まえた堤防の復旧方法を考える必要がある」と強調した。

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