フランスのマクロン大統領は7日に掲載された英エコノミスト誌(電子版)のインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)を「脳死」状態だと語り、同盟の核である集団的自衛権にも懐疑的な見方を示した。東西冷戦終結から30年の節目に、NATOの役割を正面から問い直す発言が物議を醸している。
「脳死」発言は、シリア北部から突然の撤収を決めた米軍や、その後にシリアに侵攻した加盟国トルコ軍を念頭に、NATOに事前協議がなかったことを非難したもの。NATO加盟国が攻撃を受けた場合に他の加盟国が反撃する集団防衛を定めた北大西洋条約第5条は機能するかとの問いには「分からない」と答え、同盟の大原則に疑問を投じた。
マクロン氏はまた、最大の同盟国である米国が「我々(欧州)に背を向けている」との見方を示した上で「米国の関与という観点からNATOの現実を見直すべきだ」と語り、欧州が米国依存の安全保障から脱却する必要性を説いた。マクロン氏はNATOとは別に、安全保障上の脅威に対応する「欧州軍」構想を持論に掲げている。
この記事は有料記事です。
残り297文字(全文746文字)
毎時01分更新
米国第一主義で世界と米社会を揺るがしたトランプ米大統領が2…
欧州連合(EU)が、新型コロナウイルスのワクチン接種証明を…
毎日新聞と社会調査研究センターが1月16日に実施した全国世…